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名に負う
「名に負う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
名に負うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
天保十二年の三月二十八日から浅草観音の開帳が始まった。いわゆる居開帳であるが、
名に負う浅草の観世音であるから、日々の参詣者はおびただしく群集した。奥山の驢馬の....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
来たぞ。」 前の方で大きな声をする人があるので、わたしも気がついて見あげると、
名に負う第一の石門は蹄鉄のような形をして、霧の間から屹と聳えていました。高さ十|....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
坂|釣閑、真田弾正同じく昌幸、円座を作って居流れた様は、堂々として由々しかった。
名に負う永禄元年と云えば、上杉謙信を相手とし、信州|更級川中島で三回寄せ合った合....
「四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
チウクまで長い辛い行軍をして来て、我軍の攻撃に遭って防戦したのであろうが、味方は
名に負う猪武者、英吉利仕込のパテント付のピーボヂーにもマルチニーにも怯ともせず、....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
。「ともかくも乾児《こぶん》を猟り集め、森中手を分けて探してみよう! ……しかし
名に負う木精《こだま》の森だ、入り込んだが最後出られない魔所! 目付《めつ》かっ....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
なしに、崕の溝端に真俯向けになって、生れてはじめて、許されない禁断の果を、相馬の
名に負う、轡をガリリと頬張る思いで、馬の口にかぶりついた。が、甘さと切なさと恥か....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
里に渡る森林の中を縫い入って、丹生川平の郷の方へ、素晴らしい速さで送られて行く。
名に負う飛騨の大森林である。杉や樫や桧や、楢や落葉松というような、喬木が鬱々蒼々....
「赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
臣秀吉であった。然るに宗湛は夫れをさえ、情なく断わって了ったのである。 併し、
名に負う天下人が、一旦所望したからは、いかに宗湛が強情でも遂には命に従わなければ....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
来|流行る『ままごと』の中へ、この売薬を一袋、どうでも入れなければ嘘でござんす!
名に負う蘭人の甲必丹から、お上へ献上なされようとして、わざわざ長崎の港から、江戸....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
行く。犬の吠え声、凧の唸り、馬の嘶、座頭の高声、弥次郎兵衛も来れば喜太八も来る。
名に負う江戸の大手筋東海道の賑やかさは今も昔も変わりがない。 その人通りを縫い....
「赤格子九郎右衛門の娘」より 著者:国枝史郎
のでございます。……番太まで加えて百人余り、キリキリと家は取り巻いたものの相手は
名に負う赤格子です、どんな策略があろうも知れずと、今でこそお話し致しますが尻込み....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
間の時代においては、二日の日数を要するのであった。 分け上る道は険しかったが、
名に負う木曽の奥地の秋、その美しさは類少なく、木々は紅葉し草は黄ばみ、木の実は赤....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
捕え、其幾人を殺したが、余の七八十人は山を越えて何処へか姿を隠して了った。飛騨は
名に負う山国であるから、山又山の奥深く逃げ籠った以上は、容易に狩出すことも能ない....
「活人形」より 著者:泉鏡花
でございました。「え!」 幾度か水火の中に出入して、場数巧者の探偵吏、三日月と
名に負う倉瀬泰助なれば、何とて脆くも得三の短銃に僵るべき。されば高楼より狙い撃た....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
旧使役。 とある。これによっていわゆる雑戸なるものの種類もわかり、またその職を
名に負うところの姓が、人の恥ずるところであったことが知られる。しかしともかくもそ....