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「名を残す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

名を残すの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
野分」より 著者:夏目漱石
です。同じ大学の卒業生が同じ程度のものであったら、大学の卒業生はことごとく後世に名を残すか、またはことごとく消えてしまわなくってはならない。自分こそ後世に名を残....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
を過ぎるあいだに、土地にもいろいろの変遷があって、黒太夫の家は単に黒屋敷跡という名を残すばかりで、とうの昔にほろびました。龍馬の池も山崩れや出水のためにいくたび....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
で、聊かでも名聞を好み、俗衆の心を執る考えがあったならば、恐らく世界の文化史上に名を残す位の事は易々たるものがあったであろう。 これは決して筆者の一存の誇張し....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ですか」 「まあ、身体さえおたっしゃなら、日本でも幾人という人になって、後の世に名を残す人だったに相違ないとの評判でございました」 「なるほど」 「そのお父さん....
フランダースの犬」より 著者:菊池寛
くようにおもわれたからです。 「気を落してはいけないよ。私だって、アントワープに名を残すようになったのは、決して、弱い心ではできなかったことだよ。」 冷たい夜....
源氏物語」より 著者:紫式部
「他の点では父祖を恥ずかしめるような私でございますが、遺伝の蹴鞠の芸だけで後世へ名を残すことになりましたらそれで無事かもしれません」 と言った。 「何も悪くは....
保久呂天皇」より 著者:坂口安吾
べき子孫を失ったから、子孫の代りに自分の名を残そうと考えた。むかしから人々はその名を残すために多くのことをした先例はあった。天皇は大仏や寺をつくり坊主は橋をかけ....
水鳥亭」より 著者:坂口安吾
くだらぬ私物を大事にして、人から托された国宝的な図書を焼いてしまった、と後世に悪名を残すのは私ですよ。それほど学術的価値のあるものでしたら、文部省とか、大学など....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
る人間の姿、それが観物なのであった。あのように惨殺され切れ切れに裂かれて末代まで名を残すことになっている男、それが人気を生み出していたのだ。種々雑多な見物人たち....
イプセン百年祭講演」より 著者:久保栄
した傑作なのでありますが、イプセンは、もし三十で死んだとしたら、文学史上に不朽の名を残すことはできなかったでしょう。初期のイプセンがスカンヂナヴィアの伝説から取....
二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
浮雲』も『其面影』も『平凡』も皆未完成の出来損ないである。あの三作で文人としての名を残すのは仮令文人たるを屑しとしなくてもまた遺憾であったろう。 結局二葉亭は....
日和下駄」より 著者:永井荷風
面目を異《こと》にしたが、その裏通《うらどおり》なる小流《こながれ》に今なおその名を残す根来橋《ねごろばし》という名前なぞから、これを江戸切図に引合せて、私は歩....
早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
つれて附近一帯の変化発展も目ざましく、田甫の早稲田茗荷畑の早稲田は、今は唯徒に其名を残すのみとなった。私が学校にいた頃には、今電車が走っている鶴巻町裏一帯の土地....