名乗り出る[語句情報] » 名乗り出る

「名乗り出る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

名乗り出るの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
彼は昔の彼ならず」より 著者:太宰治
がかりな犯罪ほどよいのですよ。大丈夫。見つかるものか。時効のかかったころ、堂々と名乗り出るのさ。あなた、もてますよ。けれどもこれは、飛行機の三日間にくらべると、....
河明り」より 著者:岡本かの子
云った。一度は捨てたが、この子のために死に切れず、死ぬより辛い恥を忍んで、世間へ名乗り出ることさえした位だから、この子はもとより自分のものだと、木下の母は云った....
道徳の観念」より 著者:戸坂潤
偉いと自ら称する人間を本当に偉いと思い込むものだ。 で、之こそ道徳だとみずから名乗り出るものは、実は道徳としてあまり尊重すべきものではなく、却って所謂道徳とい....
殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
の身がいよいよ危い。だからもしこの女が死んだか、大病でない限りどうしても自分から名乗り出るだろう、とこう思いついたのだよ。それで窮余の一策として、君も御承知の通....
霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
ア済まねえから、私が手前を捕めえて往こう」 やま「能く其方は覚悟をして縄に掛り、名乗り出る心になった、人は心から悪いものではない、一念の迷いから悪い事をすると聞....
肌色の月」より 著者:久生十蘭
写真なんかもないからどんな顔だちのひとなのか、それさえわからない。当人が自発的に名乗り出るのを待つほか、われわれのほうには手がないわけで……あなたの不利になるよ....
巷説享保図絵」より 著者:林不忘
」 で、案外、すらすらと引き請けてこの日本一太郎がお高の実父相良寛十郎であると名乗り出ると、案のじょう、木場の甚も一空さまも、磯五の思ったとおり、あまり似てい....
運命のSOS」より 著者:牧逸馬
らないので、欧米の各主要新聞に毎日このルイとロロの写真を掲載して広く心当りの人に名乗り出ることを求めた。すると一月程して南仏蘭西のニイスから、Navratil ....
土から手が」より 著者:牧逸馬
を詳細にラジオで放送し、各紙に掲載して、こういう患者を手がけた覚えのある歯科医の名乗り出るのを待っている。レノック巡査によって語られ、ホテル支配人ロバアト・マギ....
私はかうして死んだ!」より 著者:平林初之輔
明している。この世の中に、私の生きていることを証明する手段は、私が自分でその筋へ名乗り出る以外にない。否、それとてもたしかな手段とは言えぬ。村の人は二十年も前の....
正義」より 著者:浜尾四郎
はあなたが余りに森木のみしか考えて居ないという事を云いたいのです。衣川さん。Aが名乗り出るとします。問題はA一人ではありませんよ。無論相手の夫人も犠牲にならねば....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
じゃ、飼い主はここへ出てもらおう」 といった。 どこからも、おれのだといって名乗り出る者がない。しかし、その辺にいた客はみな知っている。例の美少年のすがたへ....