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名人気質
「名人気質〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
名人気質の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
らなかった。 気に入った構図が見つかるまで、めったにフイルムを使おうとしない、
名人気質的な、ふと狂気じみた凝り方は、いつものこととはいうものの、しかし、いつも....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
もしなかったあたり、疑われたことを怨《えん》ずるようなその目の光、どこか生一本の
名人気質がほの見えて、まんざらその申し立てはうそでもなさそうなのです。 「なるほ....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
」 これには九兵衛も驚いて了った。一旦城へ引き返し、宗春侯の御意を訊いた。 「
名人気質、却って面白い。かまわないから連れて参れ」 そこで九兵衛はかしこまって....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
て買ってけえったといやがったからね、能書きをぬかしたところをみるてえと、いくらか
名人気質の野郎かなと思って探ってみたら――」 「桃華堂の無月だといやしねえか!」....
「帰去来」より 著者:太宰治
シンをカタカタと動かしている。北さんは、特定のおとくいさんの洋服だけを作るのだ。
名人気質の、わがままな人である。富貴も淫する能わずといったようなところがあった。....
「母親」より 著者:若杉鳥子
ら、優秀な技術者として抜擢され、現在では印刷局の鐫工に雇われている。従って、この
名人気質をぶらさげている彼と、みを子はどうしてもうまく行かなかった。そればかりで....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
、自分の腰のものにつけていることを誇として、ひどくそれを欲しがっていた。しかし、
名人気質の記内は注文があったからといって、おいそれとすぐには仕事にとりかかろうと....
「アメリカ文士気質」より 著者:宮本百合子
ります。作品として出来上がった結果のよしあしは別として、日本などとは丁度反対で、
名人気質の人がどうも少ないようです。 この私の見方は丁度、三人の按摩さんが各自....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
象を示すものと見えます。面白いことね、日本ではまだ科学に到着して居らず、せいぜい
名人気質どまりね。横光の発明家みたいに、風格愛玩で。この間、鷺の宮で書いた手紙に....
「俗物性と作家」より 著者:坂口安吾
はげめ、名も金もいらないとか、まるでもう精神そのものの御談議で、芸ごとでも同様、
名人気質と称して、やっぱり名も金も不純俗悪のようなことを言う。 芸術の純粋性と....
「染吉の朱盆」より 著者:国枝史郎
所から持って来たのさ。追っかけて来た職人は、当然染吉とするんだなあ。染吉という男
名人気質で、自作にひどく愛着を持ち、人に渡すのを厭やがったというから、取り返しに....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
た顔を狷介《けんかい》にふり立て、けわしく眼を光らせながら、そっぽをむいている。
名人気質とでもいうのか、辛辣で傲慢で変屈で、あまりひとに好かれぬ男。三百六十五日....
「平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
でいらっしゃいましょう、先代の美濃清はそれこそ、譬《たと》え話になるような頑固な
名人気質。曲ったことの嫌いな竹を割ったような気性の男でしたが、これが三年前に死に....
「恐怖の季節」より 著者:三好十郎
ているところの一般文芸に対する「白眼」的無関心は、結局はまちがった「自己卑下」と
名人気質的ゴウマンとの混合物であって、作家というものが当然に持っている持たなけれ....