名僧[語句情報] »
名僧
「名僧〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
名僧の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
払って、もう一度恐る恐るみあげると、如来のお顔はやはり美しい玉藻であった。一代の
名僧の尊い魂はこうして無残にとろけていった。 三 「きょうはきついお世話でござり....
「食魔」より 著者:岡本かの子
てしまった。親子のものはほとんど裸同様で寺を追出される形となった。これみな恬澹な
名僧といわれた父親の世務をうるさがる性癖から来た結果だが、母親はどういうものか父....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
え具えていれば、誰でも、何の修養も何の苦悶も何の努力もなしに、ただちに五欲無漏の
名僧知識になれる。山にはいるか牢にはいるかだ。 しかし、久米の仙人も雲から足を....
「古狢」より 著者:泉鏡花
何も悪たれ坊ッてわけじゃない、賢くって、おとなしかったから。――そうすりゃきっと
名僧知識になれたんだ。――お母さんがそういって話すんだわ。」 「悪かったよ。その....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
、古寺の破廂を、なめくじのように這った。 「弱え人だあ。」 「頼むよ――こっちは
名僧でも何でもないが、爺さん、爺さんを……導きの山の神と思うから。」 「はて、勿....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
することがございますが、そうきれいに魂が磨かれた方ばかりも見当りませぬ。『あんな
名僧知識と謳われた方がまだこんな薄暗い境涯に居るのかしら……。』時々意外に感ずる....
「くろん坊」より 著者:岡本綺堂
方が当人の行く末のためでもあろう。たとい氏素姓のない者でも、修業次第であっぱれな
名僧智識にならぬとも限らぬと、そんな心から承知してわたしを手離すことになったので....
「茶屋知らず物語」より 著者:岡本かの子
元禄|享保の頃、関西に法眼、円通という二禅僧がありました。いずれも黄檗宗の
名僧|独湛の嗣法の弟子で、性格も世離れしているところから互いは親友でありました。....
「山吹」より 著者:泉鏡花
でござりましての、この面一つを出したばかりで大概の方は遁げますで。……よくよくの
名僧智識か、豪傑な御仁でないと、聞いてさえ下さりませぬ。――この老耄が生れまして....
「清心庵」より 著者:泉鏡花
方に聞くが可いんだ。」 「そらそら、その尼様だね、その尼様が全体分らないんだよ。
名僧の、智識の、僧正の、何のッても、今時の御出家に、女でこそあれ、山の清心さんく....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
払ったというのじゃがあせん。私の口でいっちゃ似合いませんが、死を決すれば如神で、
名僧のごとく、知識のごとく、哲人のごとし。女とてかわりはない、おのずから浮世の塵....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
ね。―― 昨夜は別れてから十何年ぶりかだし、それだし、昨夜くらい、善知識とも、
名僧とも、ありがたいお説教、神仏のおつげと言っては勿体ないかも知れません。夜叉、....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
題に就いて調べる必要があって、巌頭という偉い禅僧の伝記を読んだ。この僧は唐時代の
名僧で、解脱の道に就いては信ずるに足る師父として、日本でも昔から禅の宗門の間で、....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
、実際に仏教家の子弟などを自分の塾の学生として教育され、その中には後に明治年間の
名僧と呼ばれるような人も出ております。 世の中の変遷を見守って来た人、達識者は....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
受けて修行するということは、この出家脱俗の徒の本領とするところであらねばならぬ。
名僧知識が深山幽谷を跋渉して、魑魅魍魎の徒を済度し、山人猟夫の輩を教化したが如き....