名匠[語句情報] »
名匠
「名匠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
名匠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「家霊」より 著者:岡本かの子
ものはない」 おかみさんを慰めたさもあって骨折るうちに知らず知らず徳永は明治の
名匠加納夏雄以来の伎倆を鍛えたと言った。 だが、いのちが刻み出たほどの作は、そ....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
おどらせ血をわかす。心は心と語る。無言のものに耳を傾け、見えないものを凝視する。
名匠はわれわれの知らぬ調べを呼び起こす。長く忘れていた追憶はすべて新しい意味をも....
「般若心経講義」より 著者:高神覚昇
床の機嫌をはからい申していう。古来より鴻名の宗師、多く大期に辞世有り。さばかりの
名匠の、辞世はなかりしやと世にいうものもあるべし。あわれ一句を残したまわば、諸門....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
皿のかけらを全部あつめて、これと寸分違わないものを拵えるようにとはるばる日本の一
名匠へ註文したのだった。と、驚いたことには、早速出来上って送ってよこした。主人公....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
さばき髪とともに提灯を舐めた。その幽霊の顔とともに、夫人の黒髪、びん掻に、当代の
名匠が本質へ、肉筆で葉を黒漆一面に、緋の一輪椿の櫛をさしたのが、したたるばかり色....
「飛騨の顔」より 著者:坂口安吾
定の個人の名ではなくて、単にヒダのタクミという場合と同じような、バクゼンとヒダの
名匠をさしているもののようである。
名匠は概ねあらゆる時代に居たようだが、いずれも....
「開運の鼓」より 著者:国枝史郎
いながら厨から外へ出て行った。そして老女へ近付いた。彼の眼に真っ先に映ったのは、
名匠の刻んだ姥の面のような神々しい老女の顔であった。その次に彼の眼に付いたものは....
「北斎と幽霊」より 著者:国枝史郎
家門の誉れ、腹切って取り止めたわ! ……いずれの世、いかなる代にも、認められぬは
名匠の苦心じゃ!」 「ごもっともにござります。ごもっともにござります!」 「ここ....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
以降の作であって、古代な彫刻を研究するには不適当であったが、とにかく、その時代の
名匠良工の作風によって、いろいろと見学の功を積むには、江戸では此寺に越した場所は....
「五右衛門と新左」より 著者:国枝史郎
もない嘘なのであった。みんなは迷惑をしたのであった。 「さて、和漢の珍器、古今の
名匠の墨跡、家々の重宝共此時にあらずばいつを期すべきと、我も/\と底を点じて出さ....
「おせん」より 著者:邦枝完二
美しく澄んだ顔は、磁器の肌のように冷たかった。 白粉刷毛を持ったおせんの手は、
名匠が毛描きでもするように、その上を丹念になぞって行った。 眼、口、耳。――真....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
名前で貰うことにします。自分の利益は平日の店にあるので……云々。ついては、当代の
名匠にいろいろな製作を頼んで、既に大分目鼻が附いたのであるが、ただ一つ木彫りの製....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
ころにどっかと胡座をかいた、微動だもせぬ、木像の安置せられたような彼――いかなる
名匠の鑿をもってしても、かかる座像を彫ることは不可能に相違ない。それは生きている....
「「草紙洗」を描いて」より 著者:上村松園
ありません。 ○ 面は喜怒哀楽を越えた無表情なものですが、それがもし
名匠の手に成ったものであり、それを着けている人が名人であったら、面は立派に喜怒哀....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
の補助があって、東京へ出ました。」 (すぐにある技芸学校を出たあとを、あらためて
名匠の内弟子に入ったのである。) 「やっと一人だちで故郷へ帰る事が出来て、やがて....