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「名取〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

名取の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
俊寛」より 著者:芥川竜之介
善ばかりも行わねば、諸悪ばかりも行わぬらしい。もっともこれは岩殿には限らぬ。奥州名取郡《おうしゅうなとりのこおり》笠島《かさじま》の道祖《さえ》は、都の加茂河原....
婦系図」より 著者:泉鏡花
よ。私たちは何の因果で、」 芸者なんぞになったとて、色も諸分も知抜いた、いずれ名取の婦ども、処女のように泣いたのである。 小待合 二十....
河明り」より 著者:岡本かの子
赫くなった。 「……私の母が妙な母でした。漢文と俳句が好きで、それだのに常盤津の名取りでしたし、築地のサンマー英語学校の優等生でしたり……」 娘はその後のこと....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
がある。宮城野の萩、末の松山の松、実方中将の墓に生うる片葉の薄、野田の玉川の葭、名取りの蓼、この五種を軸としたもので、今では一年の産額十万円に達していると云う。....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
大崎領まで政宗領である。北へ北へと道順に云えば伊達郡、苅田《かった》郡、柴田郡、名取郡、宮城郡、黒川郡であって、黒川郡から先が一揆|叛乱地《はんらんち》になって....
風流仏」より 著者:幸田露伴
、天道怪しくも是を恵まず。運は賽の眼の出所分らぬ者にてお辰の叔父ぶんなげの七と諢名取りし蕩楽者、男は好けれど根性図太く誰にも彼にも疎まれて大の字に寝たとて一坪に....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
沼勘六が事じゃ。」と云った。 ここに老人が呟いた、大沼勘六、その名を聞け、彼は名取の狂言師、鷺流当代の家元である。 七 「料理が、まずくて、雁も....
南地心中」より 著者:泉鏡花
ひけを取るまい。……その頃北に一人、向うへ廻わして、ちと目に余る、家元随一と云う名取りがあったもんですから、生命がけに気を入れて、舞ったのは道成寺。貴方、そりゃ....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
目付を上手にすれば、口がぽかんとあく。 「下のお嬢さんは筋がおありなさる。きっと名取りにさせてみまっせ、ええおしなつくんなさる」 お師匠さんは、しかりつけなが....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
う危険の浪人者が、今非常に多くなっている。将来益※多くなるだろう。何故というに大名取り潰し政策を、幕府が固執しているからだ。徳川が天下を取って以来、二百年近くに....
大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
五百石の旗本の次男、小さい時から芸事が好き、それで延寿の門に入り、五年経たぬ間に名取となり、今では立派な師匠株、従って父親とはソリが合わず、最近家を出て一家を構....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
立てしたが悪いとなら、拙者幾重にもおわび致す」老武士は言葉を改めた。 流名取り上げ破門の宣言 「ナニ、それほどの事でもない」みすぼらしい侍は笑ったが、「....
起ち上る大阪」より 著者:織田作之助
村さんの令嬢で、二十一歳の若さでありながら、二代目志賀山勢鶴を名乗る志賀山流舞の名取である尚子さんは、私に語った。因みに大阪で志賀山流の名取は尚子さん唯一人、尚....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
家の娘が常磐津を習っていることであった。親も商売人に仕立てるつもりで、後に家元の名取りになった位であるから、その稽古は頗るきびしい。殆んど朝から晩まで浚いつづけ....
鷺娘」より 著者:大倉燁子
ら」 と言葉だけはおだやかに云った。 「だって、うまく出来ないんですもの」 「名取りの癖に何んですって?」 百合子は溜息を吐いて、 「ほんとに私、名なんか貰....