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名句
「名句〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
名句の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「武蔵野」より 著者:国木田独歩
に出る。君はその時、
山は暮れ野は黄昏《たそがれ》の薄《すすき》かな
の
名句を思いだすだろう。
六
今より三年前の夏のことであった。自分....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
らねえのかい」 と――、伝六がにやにやとやっていましたが、すばらしく気のきいた
名句を吐きました。 「大きにまだ気に入らねえんですよ。だんなはこれで幾組み、他人....
「天狗」より 著者:太宰治
に御師匠自身も時には、こんな大失敗をやらかす。附きも附いたり、べた附きだ。凡兆の
名句に、師匠が歴然と敗北している。手も足も出ないという情況だ。あつしあつしと門々....
「蒲団」より 著者:田山花袋
山道十五里、悲しきことのみ思い出で、かの一茶が『これがまアつひの住家か雪五尺』の
名句痛切に身にしみ申候、父よりいずれ御礼の文奉り度|存居候えども今日は町の市日に....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
なくては、この定義に添わないことになる。 これも一説である。 少なくも古来の
名句と、浅薄な写生句などとの間に存する一の重要な差別の一面を暗示するもののようで....
「地球要塞」より 著者:海野十三
とあるのを、私は、大きな感動とともに、二、三度読みかえした。たしかに三略にある
名句である。 私は、元帥に別れの挨拶をして、再び魚雷型快速潜水艇にうちのり、急....
「『新訳源氏物語』初版の序」より 著者:上田敏
銀の器に吹きかける吐息の、曇ってかつ消えるように掠めて行く。つまりこういう作中の
名句には、王朝の世の節奏がおのずから現われていて、殊に作者の心から発しる一種の靭....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
であったが、のちに、アレクセイを見慣れてしまってから、あるとき、彼について一つの
名句を吐いたことがあった。
『この男はおそらく、世界じゅうにただ一人の、類のない....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
けつける。すでに一同集って、まさにプレーボール開始寸前。虎之介は海舟から借用した
名句も心眼も用いるヒマなく、先ず息を静め汗をおさめるのに大童である。新十郎はポケ....
「紅白縮緬組」より 著者:国枝史郎
あかつきの 嘔吐は隣りか ほととぎす 狭斜の巷の情と景とを併わせ備えた
名句として、其角の無数の秀句の中で嶄然頭角を現わしているこの「ほととぎす」の一句....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
』」「何んと出来たではござらぬかな」「泥棒の嚏も寒し雪の夜半。……いかさまこれは
名句でござる」「句のよし悪はともかくも、産みの苦しみは遁がれましたよ。ああいい気....
「翻訳のむずかしさ」より 著者:神西清
それを一概に「飜訳者は裏切り者」と心得て畏《おそ》れ謹《つつ》しんだのでは、この
名句の発案者の折角の笑いが消し飛んでしまう。含蓄されている洒脱味が失せてしまう。....
「草と虫とそして」より 著者:種田山頭火
となく捨てがたいところがある。私は萩を見るたびにいつも故人一翁君を思い出す。彼の
名句――たまさかに人来て去ねば萩の花散る――は歳月を超えて私たちの胸を打つ。 ....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
のある声で「明月や……」と叫って、較や暫らく考えた後、「……跡が出ない。が、爰で
名句が浮んで来るようでは文人の縁が切れない。絶句する処が頼もしいので、この塩梅で....
「河豚は毒魚か」より 著者:北大路魯山人
上に美味いものであるかにも聞える。所詮、たいはふぐの代用にはならない。句としては
名句かも知れないが、ちょっとしたシャレに過ぎない。小生などから見ると、芭蕉はふぐ....