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「名号〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

名号の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
ん》の中へ散らしにして入れるんですから」 皆《みん》な畏《かし》こまって六字の名号《みょうごう》を認《した》ためた。咲子は見ちゃ厭《いや》よと云いながら袖屏風....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
居る。土間には、西洋種の瓢形南瓜や、馬鈴薯を堆く積んである。奥の壁つきには六字|名号の幅をかけ、御燈明の光ちら/\、真鍮の金具がほのかに光って居る。妙に胸が迫っ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ましょうぞ、ただただ念仏往生の道を守るのみじゃ。さあさあ、お望みとあらばこれから名号《みょうごう》を授けて上げる。それじゃというて、これだけの人数が一度に押しか....
連環記」より 著者:幸田露伴
保胤みずから、予|少きより日に弥陀仏を念じ、行年四十以後、其志|弥々劇しく、口に名号を唱え、心に相好を観じ、行住|坐臥、暫くも忘れず、造次|顛沛も必ず是に於てす....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
ったのである。 この庫裡と、わずかに二棟、隔ての戸もない本堂は、置棚の真中に、名号を掛けたばかりで、その外の横縁に、それでも形ばかり階段が残った。以前は橋廊下....
長者」より 著者:田中貢太郎
にうまれるようにしてやる」 こう云って大師は小石を拾って、南無阿弥陀仏と六字の名号を書き、それを長者にやると、長者はそれを握って合掌した。大師はそれを見ると、....
「二銭銅貨」を読む」より 著者:小酒井不木
銅貨のトリックは外国の探偵小説からヒントを得たのであるかもしれぬが、点字と六字の名号とを結び付けた手腕は敬服の外はない。この点は地下のポオも恐らく三舎を避くるで....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
で見た。碑は、鉛めいた色に仄見えていたが、はたして、南無妙法蓮華経という、七字の名号が、鯰の髭のような書体で、刻られてあった。(不思議だなあ)と呟きながら、頼母....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
片は短冊なりに切った長さ三寸巾六、七分位の薄様|美濃に一枚々々|南無阿弥陀仏の御名号が書いてある。それが一束々々になっているが、一束が千枚あるか、二千枚あるか、....
チチアンの死」より 著者:木下杢太郎
を遣わしてあなたの名を四風に叫ばしめようとするものではありません。王者はその嗣に名号を遺し、その陵墓にその名の響を止めます。――あなたはそれに反して、大魔術者だ....
取返し物語」より 著者:岡本かの子
い。恋も因縁ずく。勧めもせられん代りに障げもせられん。ただ忘れてならぬのは六字の名号じゃぞよ』 (おくみ、起上って合掌) おくみ『お慈悲は身に染みて身体が浮くよ....
妖怪学」より 著者:井上円了
奇怪千万のことのように思わる。すでに世間に宝物として遺存せるものの中に、糸引きの名号と称するものあり。すなわち、名号とは「南無阿弥陀仏」と題する六字にして、これ....
知々夫紀行」より 著者:幸田露伴
ざるはなし。とある家にて百万遍の念仏会を催し、爺嫗打交りて大なる珠数を繰りながら名号唱えたる、特に声さえ沸ゆるかと聞えたり。 上野に着きて少時待つほどに二時と....
法然行伝」より 著者:中里介山
釈義を以て指南としている。そこで善導の釈義を辿《たど》って遂に、 一心専念弥陀名号《いっしんせんねんみだみょうごう》 行住坐臥不問時節《ぎょうじゅざがふもんじ....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
て、バラ/″\礫を投りました。此の石は矢切の渡口に居りましたおしのと恭太郎が、御名号を書いては積み上げたのが、山のようになって居りまする間へ匿れて居るのは、恭太....