名吟[語句情報] » 名吟

「名吟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

名吟の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
般若心経講義」より 著者:高神覚昇
さむごとに、そこにいい知れぬ深い宗教味を感じるのです。俳句の道からいえば、古今の名吟とまではゆかないでしょうが、宗教的立場から見れば、きわめて宗教味ゆたかな含蓄....
稲生播磨守」より 著者:林不忘
庭を御覧じませ。美しき下弦《かげん》の月。昼間のお歌のつづきをこれにて。さぞや御名吟が――。 播磨 (脇息を打つ)ええいっ! ごまかそうとするかっ! いま奎堂の....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
―ン……この句を知らなけあ川柳を知っているたあ云えないぜ。柳樽の中でもパリパリの名吟なんだ」 こう云うと正木博士は得意の色を鼻の先にほのめかしながら、片膝をぐ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
「若衆の尻月を見て離れ得ぬ、念者《ねんじゃ》や桂男《かつらおとこ》なるらん」など名吟多し(『後撰夷曲集』)。しかるに猴は尻の色が牝牡相恋の一大助たるのだ。本邦の....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
ころ、誠に有難うございます」 志「結構なお住いでげすな……さて萩原氏、今日君のお名吟は恐れ入りましたな、何とか申したな、えゝと「煙草には燧火のむまし梅の中」とは....
深夜の電話」より 著者:小酒井不木
根路をわが越え来れば伊豆の海や 沖の小島に浪の寄る見ゆ という名吟を残しましたが、伊豆をとりかこむ海の風光は、相模の海にしろ駿河の海にしろ、常....
五右衛門と新左」より 著者:国枝史郎
細きもとでや念仏僧 鬼瓦長し短し具足櫃 忍術の袈裟かぶり行くほととぎす こんな名吟が続出した。 で、みんなドッと笑い、ひどく陽気で可い気持であった。 で、....
向嶋」より 著者:永井荷風
げつめい》に隅田川を下り「金竜山畔江月浮《きんりゅうさんはんにこうげつうく》」の名吟を世に残してより、明治に至るまで凡《およそ》二百有余年、墨水《ぼくすい》の風....
草藪の中」より 著者:田中貢太郎
ら一生飲まなくても好い」 「ひどく見縊るね、じゃ、まあ、さすまい、で、なんだね、名吟ができたかい、どうも昔から下戸に名吟がないと云うぜ」 「あるとも、僕は毎日海....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
すましたというゆとりも出たせいか、 障子越し硝子越しに有馬の河鹿哉 と物理学的名吟を示され、ぼくも駄句ること三句、 啼いてゐますよとそこ開くる河鹿かな 夜もお....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
助氏の『佐渡の民謡』という書の中には、このほかにもなおいろいろと嫁の心情を歌った名吟が出ている。この杓子渡しという語は、形容であろうと最初は思っていたところが、....