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名告り
「名告り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
名告りの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「護持院原の敵討」より 著者:森鴎外
ぬ我々は、お前に別れては困るに違ないが、もはや是非に及ばない。只運を天に任せて、
名告り合う日を待つより外はない。お前は忠実この上もない人であるから、これから主取....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
ながら旧悪を隠して、人を懐けようとする心底は面白くないから、今度来たなら此方から
名告りかけて白状させてやろうと待もうけて居るとは知らず、幸兵衛は女房お柳と何れか....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
に嬉しいか可愛そうな奴だ」 と飯島平左衞門は孝心に感じ、機を見て自ら孝助の敵と
名告り、討たれてやろうと常に心に掛けて居りました。 四 さて萩....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
し暗くなりました所で、笠を取って刎除け、小刀を引抜きながら、 繼「親の敵」 と
名告りながらぴったり振冠った時は、水司又市も驚いたの驚かないの、恟り致して少し後....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
子にお見受け申します……貴客は、どれから、どれへお越しなさいますえ? 学円 さて
名告りを揚げて、何の峠を越すと云うでもありません。御覧の通り、学校に勤めるもので....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
三人左右に引着けて、渠は常に宮の階の正面に身構えつ、稲葉太郎|荒象園の鬼門なりと
名告りたり。さて常にわが広岡の姉上に逢わむとて行くを、などさは女々しき振舞する。....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
不充分であるが、何とも他に致方がないのである。われ等は、地上生活中の自己の姓名を
名告り、そして自己と同時代の性行閲歴につきて、事こまやかに物語るであろう。さすれ....
「最古日本の女性生活の根柢」より 著者:折口信夫
は別で、娘の家のまわりを、自身名と家とを喚うてとおる。これが「よばひ」でもあり「
名告り」でもある。女がその男に許そうと思うと、はじめて自分の名をその男に明して聞....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
十二月二十一日、江戸橋に於て罪人友之助引廻しの際、一行を差止め、我こそ罪人なりと
名告り出で候う由なるが、全く其の方は数人の人殺しを致しながら、今日まで隠れいると....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
なア、仕様がねえから己も手伝って其の死骸を鉄砲で担いで、小川村の浪人の内へ行って
名告り合せて見ると、向うも鹽原角右衞門、己も鹽原角右衞門、同じ名前で不思議に思っ....
「興津弥五右衛門の遺書」より 著者:森鴎外
にして怙を失い、母の手に養育いたされ候て人と成り候。壮年に及びて弥五右衛門景一と
名告り、母の族なる播磨国の人|佐野官十郎方に寄居いたしおり候。さてその縁故をもっ....
「殺人迷路」より 著者:浜尾四郎
行った。 「ねえ君、そこで君の所謂《いわゆる》『完全なる犯罪』もまた、もし本人が
名告りをあげるとそのとたんに不完全になるわけだ。そこで遺憾ながら今度の犯罪も不完....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
地の名に因んで菅原氏、秋篠氏と称し、或いは御生母大枝の山陵の名を取って、大江氏を
名告り、それぞれ学者の家を起した。これが為に土師氏は、触穢の業から離れてしまった....