名告る[語句情報] »
名告る
「名告る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
名告るの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖術」より 著者:泉鏡花
、娘手品、と云うのであった。 思い懸けず、余り変ってはいたけれども、当人の女の
名告るものを、怪しいの、疑わしいの、嘘言だ、と云った処で仕方がない。まさか、とは....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
すと、幸兵衛夫婦は全く親には違いないが、無慈悲の廉があるので、面目なくって今さら
名告ることも出来ないから、贔屓というを名にして仕事を云付け、屡々往来して親しく出....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
安も、拳の下に崩れた丸髷を整える遑もなく、山内へ逃げ帰る。栄次郎の忠兵衛は広瀬を
名告る前の頃で、会津屋へ調停に往くことを面倒がる。妻はおいらん浜照がなれの果で何....
「ああ華族様だよ と私は嘘を吐くのであった」より 著者:渡辺温
日本人の私なんぞよりも、遙かに詳かに心得ていた。 アレキサンダー君は、その自ら
名告るところに依れば、旧露国帝室付舞踏師で、革命後上海から日本へ渡って来たのだが....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
道。 鯖江 鯖江ノ太郎。 鯖波 鯖波ノ次郎。 この両個、「兄弟のもの。」と同音に
名告る。 塚 十三塚の骨寄鬼。 蟹五郎 藪沢のお関守は既に先刻より。 椿 そのほ....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
。江戸の宗家も、本山も、当国古市において、一人で兼ねたり、という勢で、自ら宗山と
名告る天狗。高慢も高慢だが、また出来る事も出来る。……東京の本場から、誰も来て怯....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
分から名告れと、手数を掛けるのがお極りだ。……俺はな、お前の名を聞いても、自分で
名告るには及ばない身分のもんだ、可いか。その筋の刑事だ。分ったか。」 「ええ、旦....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
、老人は下谷|御徒士町に借宅します、萩原与五郎と申して未熟な狂言師でござる。」と
名告る。 「ははあ、茶番かね。」と言った。 しかり、茶番である。が、ここに名告....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
たが、ふと坐り直しましたから、小宮山は、はてな、柏屋の姐さん、ここらでその本名を
名告るのかと可笑しくもございまする。 すると、女は後先を※しましたが、じりじり....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
はいるが、それは全然受身の状態に置かれ、そして彼女とは全然別個の存在――小櫻姫と
名告る他の人格が彼女の体躯を司配して、任意に口を動かし、又任意に物を視せるのであ....
「四十八人目」より 著者:森田草平
束を果さなかったことが気に懸った。こうなれば、あの女はもう自分の死後も自分の妻と
名告ることはできない。妻も子も永遠に日蔭の身である。もっとも、同志の士は皆妻子を....
「かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
の銀煙管いっそ悪党を売物と毛遂が嚢の錐ずっと突っ込んでこなし廻るをわれから悪党と
名告る悪党もあるまいと俊雄がどこか俤に残る温和振りへ目をつけてうかと口車へ腰をか....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
ば悪と仰ゃるものは、
皆わたしの分内の事です。
ファウスト
君は一部だと
名告る。そして全体で己の前にいるのか。
メフィストフェレス
それは少しば....
「エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
行った場合に、何方のものともわからぬ程のものが、わざわざ自分の素性はエタであると
名告るものばかりでもあるまじく、いずれは適当なる隠れ家を得ずして、これらのエタ部....