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名園
「名園〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
名園の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
飾りもやはりそうである。庭作りもまたそれである。かしこの山ここの川から選り集めた
名園の一石一木の排置をだれが自由に一寸でも動かしうるかを考えてみればよい。しかも....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
庭は、京都に於ける名庭園の一つであります。いや、日本の国宝の一つとして、世界的に
名園の一つであります。音に聞いてはじめて見るお銀様には、大なる興味でなければなり....
「夏の花」より 著者:原民喜
樹木もおおかた中空で削《そ》ぎとられており、川に添った、この由緒《ゆいしょ》ある
名園も、今は傷だらけの姿であった。ふと、灌木《かんぼく》の側にだらりと豊かな肢体....
「高千穂に思う」より 著者:豊島与志雄
識され始めた。然しその東京に於て、上野の山の杉の古木は年々枯死してゆくし、代表的
名園たる後楽園の樹木は、保育保存に多くの苦心を要するとかいう。 これに比ぶれば....
「私の信条」より 著者:豊島与志雄
べて物であり、美しいと感ぜられる物であろう。絵画、彫刻、美術工芸品、特殊建造物、
名園、などなどを初め、日常の実用品のうち美しいと思われる物に至るまで、数え立てれ....
「落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
遊ヒンパンな妾宅だから、数寄をこらし、築山には名木奇岩を配し、林泉の妙、古い都の
名園や別邸にも劣らぬような見事なもの。お金だって千両箱の五ツぐらいは分けてもらっ....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
竹林院という修験道の宿坊が今は旅館になっている。万事アルバイト時代である。そこの
名園(?)から竹林派という造庭上の名が起ったのだそうだが、そこのフモトの汚い谷底....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
といって、泉石林木《せんせきりんぼく》の布置《ふち》、幽邃《ゆうすい》をきわめる
名園がある。 北どなり、水戸さまの中屋敷にむいた弥生町《やよいちょう》がわの通....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
》といわれて、日暮里の花見寺《はなみでら》に比較せられた仙寿院《せんじゅいん》の
名園ある事は、これも『江戸名所図絵《えどめいしょずえ》』で知っている処から、日和....
「向嶋」より 著者:永井荷風
久しく麦酒《ビール》製造会社の庭園になっていた旧佐竹氏の浩養園がある。しかしこの
名園は災禍の未だ起らざる以前既に荒廃して殆《ほとんど》その跡を留《とど》めていな....
「京の四季」より 著者:和辻哲郎
が京都の湿度だと思う。 私は永い間東京には杉苔はないと思っていた。東京で名高い
名園などでも杉苔を見なかったからである。しかし京都から移って来て数年後に東京の西....
「酋長」より 著者:岡本かの子
荘のある庭はたいしたものだった。東京でも屈指の中であろう。そして、都会のこういう
名園がだんだんそうなるように、公開的の性質を帯び、春から秋までは、いろいろな設備....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
であった。苔の香いというものを私はここで初めて咽せるほど知った。京都や奈良辺りの
名園にもこんな苔の見事な庭は見たことがない。 「これをお穿きくださいまし」 と....
「日本の庭」より 著者:室生犀星
な人がいたら、その人は最後に垣根と土とを見ていて十分に満足するかも知れぬ。天下の
名園を見つくした人にはもはや何もいらないはずであった。 私は旅行中ある山中の小....