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「名城〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

名城の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
突貫紀行」より 著者:幸田露伴
、壺《つぼ》の碑《いしぶみ》前を過ぎ、芭蕉《ばしょう》の辻《つじ》につき、青葉の名城は日暮れたれば明日の見物となすべきつもりにて、知る人の許《もと》に行きける。....
乱世」より 著者:菊池寛
城中の大広間で、一藩の態度を決するための大評定が開かれた。 血気の若武者は、桑名城を死守して、官軍と血戦することを主張した。が、それが無謀な、不可能な、ただ快....
桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
佐久間から敵状を告げて来たが、義元の大軍にはとても刃向い難い。幸に清須城は天下の名城であるからここに立籠られるがよかろう」と。 信長はあっさり答えた。「昔から....
島原の乱」より 著者:菊池寛
頃、上使の一人として出陣した水野日向守|勝成は、「我若き時、九州に流浪して原城の名城なるを知る。神祖家康公が高天神城を攻めた時の如く、兵糧攻めに如くはない」 ....
大阪夏之陣」より 著者:菊池寛
霜を費して、やっと媾和している。 しかし、秀吉がその愛児秀頼に、この難攻不落の名城を遺したことは、却って亡滅の因を遺したようなものである。有史以前の生物である....
真田幸村」より 著者:菊池寛
である。蜻蛉切り長槍を取って武功随一の男である。ある時、忠勝子息の忠朝と、居城桑名城の濠に船を浮べ、子息忠朝に、櫂であの葦をないで見よと云った。忠朝も、強力無双....
小田原陣」より 著者:菊池寛
て戦線の兵は次第に増大し、海陸の兵数は実に十四万八千人に上った。併し流石に天下の名城だけに、小田原城の宏大さは一寸近寄り難い。 「此城堅固に構へて、広大なること....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
と向いあったところだが、その建物の中で私たちが占めている室からは、太田道灌以来の名城を、松の緑の間に、仰ぎ見られるので、はじめて松樹国の日本に落ちついた気がした....
南地心中」より 著者:泉鏡花
、(今のは、)とお尋ねなさるんでさ、義理にも大阪城、と申さないじゃ、第一日本一の名城に対して、ははは、」とものありげにちょっと顔を見る。 初阪は鳥打の庇に手を....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
に、大将のおるべき地相か何かが存在していたものかも知れない」 「いずれ、名将や、名城が出現するくらいの土地だから、何ぞ佳気葱々《かきそうそう》といったようなもの....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
が、自分の家より系図の正しい加藤というものはない。 そうして、朝な夕な名古屋の名城を見るごとに、この城こそ我が家の先祖肥後守清正が、一代の心血を注いで築き上げ....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
は攻め落とされまい。播州で赤松といえば敵にも味方にも畏れられたも無理はない。その名城も主人をうしのうて、今は狐狸の棲家、荒るるがままに任かしてあるが、白鷺の名を....
金山揷話」より 著者:大鹿卓
た。私はそれを森山の前へ差し示し、 「いよいよ徳川家康の山例だ」 「うむ、たとい名城の下たりとも、※うち有之に於いては掘採苦しからず候、か」 森山は暗記してい....
手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
、一つの技で聞えます。 この都は播州一の町で、酒井氏が居を構えし所、日本第一の名城「白鷺城」が聳えているのもこの都であります。豪壮なその白壁造りの建物が、緑の....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
も鴻の渡るを見て北條の軍勢が浅瀬を渡って、桜ヶ陣より一時に取詰めた処から、かゝる名城も忽ちにして落城したというが、時節だのう、其の日は恰ど今日の如く夕暮で、入日....