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名家
「名家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
名家の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠義」より 著者:芥川竜之介
衛門|勝重《かつしげ》以来、未嘗《いまだかつて》、瑕瑾《かきん》を受けた事のない
名家である。二代又左衛門|重宗《しげむね》が、父の跡をうけて、所司代《しょしだい....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
重さんか、私は嫁と思うぞ。喜多八の叔父源三郎じゃ、更めて一さし舞え。」 二人の
名家が屹と居直る。 瞳の動かぬ気高い顔して、恍惚と見詰めながら、よろよろと引退....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
、令嬢、お聞済。この通りでござる。」 とて、開いた扇子に手を支いた。埃は颯と、
名家の紋の橘の左右に散った。 思わず、ハッと吐息して、羽織の袖を、斉く清く土に....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
」と今はと見ゆる悲鳴である。 「この、たわけ奴の。」 段の上にすッくと立って、
名家の彫像のごとく、目まじろきもしないで、一|場の光景を見詰めていた黒き衣、白き....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
がら、御上に克似の箇所も御座りまする」 「ふむ――」 智慧出羽と云われた池田の
名家老も、こう聴いてはハタと当惑せずにはいられなかった。 「それで御上にはなんと....
「バットクラス」より 著者:岡本かの子
て仕舞っている。そして彼は客を受けるのに少くとも彼の家の紋章が持っている(欧洲古
名家紋章録に載っている)骨董的品位にふさわしい程度には待遇しなければならないと考....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
うよい絵があると聞きますと、それこそ、千里も遠しとせず拝見に上がりました。また、
名家の売立などにも、よいものがありますので、必ず見に参りました。博物館へはお弁当....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
ても数々のものが古くから散じたり、滅びたりしないでちゃんと残っている。 日本の
名家やお寺に行くと、日本古来の名作のみならず、支那の名作逸品が大切に保存されてい....
「謡曲と画題」より 著者:上村松園
貫之、右衛門の府生壬生|忠岑、小野小町、大伴黒主はじめこの道にかけては一騎当千の
名家ばかり――その中で、いよいよ小町の歌が披露されると、帝をはじめ奉り一同はこれ....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
つ世に聞こゆれ。しかも仕事の上では、美術家たちの知らぬはない、小山夏吉は、飾職の
名家である。しかも、その細工になる瓜の製作は、ほとんど一種の奇蹟である。 自ら....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
はしまいしよ、そんなものを積んで大海を渡れるものか。その了見だと、折角あれだけの
名家の弟子になりながら、小刀で蟻を刻んでいやしないかね。 蕪にくッつけてさ、そ....
「妖怪学」より 著者:井上円了
かなり。今日は生理学、病理学等ありて、信仰を離れて治療を施すに至りたれども、なお
名家の療法は信仰によりて治するを免れず。すでに信仰の療法に欠くべからざること明ら....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
物に来て、大に感服して「万国一覧」という大字の扁額を揮ってくれた。こういう大官や
名家の折紙が附いたので益々人気を湧かして、浅草の西洋覗眼鏡を見ないものは文明開化....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
二葉亭の歿後、坪内、西本両氏と謀って故人の語学校時代の友人及び故人と多少の交誼ある文壇諸
名家の追憶または感想を乞い、集めて一冊として故人の遺霊に手向けた。その折諸君のま....
「魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
新聞社の人まで招いて発表しようとするその秘密というのは何んだろう? 彼も相当な売
名家だけあって、人を惹きつけることはうまいなあ。秘密公開というこの文句が魅力だよ....