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名所絵
「名所絵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
名所絵の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「如是我聞」より 著者:太宰治
空虚な響きを感じさせるものはない。田舎者の東京土産話というものと、甚だ似ている。
名所絵はがき。そこには、市民の生活のにおいが何も無い。 論文に譬えると、あの婦....
「葉」より 著者:太宰治
魚河岸が築地へうつってからは、いっそう名前もすたれて、げんざいは、たいていの東京
名所絵葉書から取除かれている。 ことし、十二月下旬の或る霧のふかい夜に、この橋....
「襟」より 著者:ディモフオシップ
という思案もなく、赤い薔薇のブケエを買って、その外にも鹿の角を二組、コブレンツの
名所絵のある画葉書を百枚買った。そのあとでエルトハイムに寄って新しい襟を買ったの....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
す。 セーヌ河の古本屋、五階下の様なガラクタを売る店で、今日は面白いフランスの
名所絵の銅版画の色ズリを四枚買って来たよ。 巴里に居る間にいろいろ珍らしいもの....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
りて面白く覚え候、昨日はまた甲州|名代《なだい》の猿橋といふのを通り申候、これは
名所絵などにて御身も御承知の事と存じ候へ共、猿が双方より手を延ばしたるやうの形に....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
た後は、当然ここをとぶらい来るべき段取りであったかも知れません。 来て見れば、
名所絵の示す通りの七里の渡し、寝覚の里―― 神戸《ごうど》の通りを真直ぐに左に....
「芳川鎌子」より 著者:長谷川時雨
をすませた。午《ひる》飯には三本のお酒の注文があり、その他に餅菓子の注文もした。
名所絵葉書十枚、巻紙封筒をも取寄せて両人はしきりに書面を認《した》ためていた。沈....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
いま次郎吉の心に、青々と水美しくこがれている業平あたりの春景色が、広重えがく江戸
名所絵のよう蘇ってきた。 早春の空あくまで青く、若草萌えている土手の下、そこに....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
学美術の力によらざるべからず。これ余が広重《ひろしげ》と北斎《ほくさい》との江戸
名所絵によりて都会とその近郊の風景を見ん事を冀《こいねが》ひ、鳥居奥村派《とりい....
「草紅葉」より 著者:永井荷風
華にかえることができるのであろう。観音堂が一立斎広重《いちりゅうさいひろしげ》の
名所絵に見るような旧観に復する日は恐《おそら》くもう来ないのかも知れない。 昭....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
十七字にいい尽《つく》されている。北斎《ほくさい》及び広重《ひろしげ》らの江戸|
名所絵《めいしょえ》に描《えが》かれた所、これを文字《もんじ》に代えたならば、即....
「霊廟」より 著者:永井荷風
れぞれの国土に特種の風景美を与えているように、これは世界の人が広重《ひろしげ》の
名所絵においてのみ見知っている常磐木《ときわぎ》の松である。 自分は三門前《さ....