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「名書き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

名書きの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
加藤子爵夫人の手より受け取りて読みし時の心はいかなりしぞ。武男は書をひらきぬ。仮名書きの美しかりし手跡は痕もなく、その人の筆かと疑うまで字はふるい墨はにじみて、....
十二支考」より 著者:南方熊楠
たらしく、紀元前四世紀、既にこれに象《かたど》った星宿|殺牛星《ケンタウロス》の名書き留めあれば、かかる誤解はよほど以前に生じいたのだ。スペイン人が初めて西大陸....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
よりもむしろ、大部分は判事と弁護士との懇談のようなものだった。 警視庁からの罪名書きには、暴力で警官に抵抗したという官吏抗拒罪や、秩序紊乱罪や、旅券規則違反罪....
源氏物語」より 著者:紫式部
ののような気持ちでたいしたことのない限りはおたよりを聞こうともしませんでした。仮名書きの物を読むのは目に時間がかかり、念仏を怠ることになり、無益であるとしたので....
銀三十枚」より 著者:国枝史郎
聖書中の、大立者の肖像であった。肖像の下に有るか無い程の小さい小さい横文字で、署名書きがしてあったからで。 「猶太の古代貨幣なら、猶太文字で署名がしてあるはずだ....
くぐつ名義考」より 著者:喜田貞吉
類のものだと考えていなかった事は、万葉集や高橋氏文には常にこれを多邇具久などと仮名書きにし、祝詞の筆者も或いは「谷潜」の文字を用いているのによっても察せられよう....
国号の由来」より 著者:喜田貞吉
かし今日ではもはやそれでは許されぬ。漢字にたよらず、もっぱら自国の文字でそれを仮名書きにする西洋人にとっては、ニッポンとニホンとは明らかに別の名である。ことに各....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
人もなし、便りを出す人もない。何か人まちがいのような気もされて、彼女は、何度も宛名書きを見直すのだった。 長い駅伝を通ってきたらしく、飛脚文は手ずれや雨じみで....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
とからさす明りに足をとめてみると、草履を持ってしゃがみこんだ一人の男、そばに、仮名書きで「こばいあん」とした朱文字の提灯をおいて、ゆるんだ鼻緒をすげなおしている....
特殊部落の言語」より 著者:喜田貞吉
をダッシと云ったりなどする。六条村年寄の留書を見ると、辻子の事をよく「るし」と仮名書きしてある。斬罪役」の句に至って、「丸で穢多の様だ」と、満場の哄笑を買ったの....
「エタ」名義考」より 著者:喜田貞吉
ごろになって始まったのではなく、既に文安の「※嚢抄」にも、明らかに「エッタ」と仮名書きしてあるのである。それを前出の「塵袋」に「エタ」とあるのは、当時果してその....
大岡越前」より 著者:吉川英治
も、顔をよせた。幾つにも折れている小さな紙は、大亀の手でひらかれた。それには、仮名書きの墨あとも淡い文字のあとが、こう読まれた。 あめつちの、かみ、ほとけに、 ....