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名木
「名木〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
名木の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
陸を帰り、主人側三人と女中三人は船で帰ることになって、船頭の千太が船を漕いで、小
名木《おなぎ》川をのぼって行きました。御承知の通り、深川は川の多いところですが、....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
川岸に在った。それが都会の新文化の発展に追除けられ追除けられして竪川筋に移り、小
名木川筋に移り、場末の横堀に移った。そしてとうとう砂村のこの材木置場の中に追い込....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
げたのは、むかしこの一廓は桃の組といった組屋敷だった、と聞くからである。その樹の
名木も、まだそっちこちに残っていて麗に咲いたのが……こう目に見えるようで、それが....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
もなく愛していた。それはほととぎすの松といって、ほととぎすが巣をかけたことのある
名木だった。実をいうと、この鳥はどんな場合にも、自分では巣を組まないで、鶯の家へ....
「祇園の枝垂桜」より 著者:九鬼周造
祇園の枝垂桜 九鬼周造 私は樹木が好きであるから旅に出たときはその土地土地の
名木は見落さないようにしている。日本ではもとより、西洋にいた頃もそうであった。し....
「文学以前」より 著者:豊島与志雄
らすうち、夢中に悟るところあって、姫路の城下を去ること三里、法華ヶ嶽という山に、
名木薬王樹の一枝を求めに行った。其処ではからずも、世に隠棲している竹光柳風軒に出....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
地方にかかる一般に信じられた迷信があることは、ちょうどシベリアに伽羅《きゃら》の
名木があるように意外なことで、そのためにいっそう珍しがられ尊重されていた。人間は....
「落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
どの家屋敷財産とは云え、旦那様の来遊ヒンパンな妾宅だから、数寄をこらし、築山には
名木奇岩を配し、林泉の妙、古い都の名園や別邸にも劣らぬような見事なもの。お金だっ....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
。舞台は、切組、描割で引包んだ祇園の景色。で、この間、枝ぶりを見て返ったばかりの
名木の車輪桜が、影の映るまで満開です。おかしい事には、芸妓、舞妓、幇間まじり、き....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
も可い。赤門には清正公が祭ってある。北辰妙見の宮、摩利支天の御堂、弁財天の祠には
名木の紅梅の枝垂れつつ咲くのがある。明星の丘の毘沙門天。虫歯封じに箸を供うる辻の....
「上野」より 著者:永井荷風
のみならず其の隣接する谷中の諸寺院をはじめ、根津権現の社地にも古来都人の眺賞した
名木が多くある。斎藤月岑の東都歳事記に挙ぐるものを見れば、谷中日暮里の養福寺、経....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
戸の都人士《とじんし》が遍《あまね》く名高い松として眺め賞したるものを挙ぐれば小
名木川《おなぎがわ》の五本松、八景坂《はっけいざか》の鎧掛松《よろいかけまつ》、....
「深川の散歩」より 著者:永井荷風
堀にかかった上《かみ》の橋《はし》が見え、また上手には万年橋《まんねんばし》が小
名木川《おなぎがわ》の川口にかかっている。これら両岸の運河にはさまざまな運送船が....
「放水路」より 著者:永井荷風
に曇っている。わたくしは立って出入《でいり》の戸口へ顔を出した。 船はいつか小
名木川《おなぎがわ》の堀割を出《い》で、渺茫《びょうぼう》たる大河の上に泛《うか....
「元八まん」より 著者:永井荷風
途絶えている光景は、何となく知らぬ国の村落を望むような心持である。遥のかなたに小
名木川《おなぎがわ》の瓦斯《ガス》タンクらしいものが見え、また反対の方向には村落....