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名犬
「名犬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
名犬の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
らふにおちかねて伝六が二の足を踏んだのはまことに無理からぬことでしたが、しかし、
名犬はよくそのにおいによって獲物の大小をかぎ分く――実はそれが右門の右門たるとこ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ッちゃござんせぬ。年中|焦げ臭せえですよ」 「匂い違いじゃ。吉原の灯りの匂いよ。
名犬はよく十里を隔てて主人の匂いを嗅ぎ知る。早乙女主水之介夢の国にあって吉原の灯....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
け。嫉妬は必死。遊戯で無い。
命がけで入り込んで、生殖の為に一命を果した彼|無
名犬の死骸を、欅の根もとに葬った。向うの方には、二本投げ出した前足に頭をのせて、....
「超人鬚野博士」より 著者:夢野久作
敵の医学士の所へ持って行って売付けたのも偶然だ。しかもその犬が世界に二匹と居ない
名犬だったのも偶然なら、その犬が肺病の第三期にかかったのも偶然。そこへ羽振医学士....
「恐竜島」より 著者:海野十三
いにやれば、みんなも安心するだろう。 「玉ちゃん、そいつは無理だよ。いかにポチが
名犬だといっても、伝令の役は出来ないよ」 「でもラツールさん。ポチはとっても利口....
「空気男」より 著者:海野十三
。 とたんにサッと廊下から吹き込む一陣の風! 呀ッと思う間もなく、博士の身体は
名犬の輪ぬけのように、硝子窓の破れ穴からスーッと外に抜けいでてしまった。 ....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
いる野犬達に較べると、この満州行きの連中は全くの英雄ではないかと思う。 駄犬と
名犬とはこれ程待遇が違うのだが、どこで駄犬と
名犬との区別がつくか。それが素質と教....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
し》をそろえて見ている。
宇和島|伊達《だて》遠江守殿から贈られた隣藩土佐産の
名犬、忠相の愛する黒というりこうものである。
「黒よ! いかがいたした」
忠相....
「紅白縮緬組」より 著者:国枝史郎
だ!」 と、白縮緬組は、驚きの声を筒抜かせた。 五 さすがは
名犬、源氏太郎は、早速には飛びかかっても行かなかった。鼻面を低く地に着けて、上眼....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
いから、東京の、否、日本中の到るところに秋田犬と称するものが飼われているが、その
名犬と称するものも実はホンモノの秋田犬とは違うのである。品評会の一等賞と云っても....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
いと思います」 …………………………………………………………………… 付記
名犬フハンは、いたるところ市民のごちそうを受け、そのために一時は腸をわずらいしが....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
お長屋門の傍から松が一本往来へ枝を張っている。その下に彦兵衛が立ち、彦の足許に、
名犬甚右衛門がうずくまっていた。 裸体《はだか》の親分を見るより早く、彦兵衛は....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
合うよしもない。 なるほど、立派な犬が人々の蔭にいたのだ。紀州犬としても優れた
名犬にちがいなかろう。琥珀色にかがやく眼、黒く濡れ光っている鼻頭のほか、全身の毛....