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名香
「名香〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
名香の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
、御堂《みどう》の犬防《いぬふせ》ぎが燦々と螺鈿《らでん》を光らせている後には、
名香の煙《けぶり》のたなびく中に、御本尊の如来を始め、勢至観音《せいしかんのん》....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
即ちお寺をたくさん造った時代、つまり立派なお寺を建て、すばらしい仏像を本尊とし、
名香を薫じ、それに綺麗な声でお経を読む。そういう仏教芸術の力によって満足を得て行....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
のように積まれていて、およそ人世の珍とする物は備わらざるなしという有様であった。
名香数|斛、宝剣一|雙、婦女三十人、その婦女はみな絶世の美女で、久しいものは十年....
「死生」より 著者:幸徳秋水
堂の扉に梓弓の歌かき残せし楠正行は、年僅に二十二歳で戦死した、忍びの緒を断ち※に
名香を薫ぜし木村重成も亦た僅かに二十四歳で、戦死した、彼等各自の境遇から、天寿を....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
十畳は暗いのに。…… 明さんの迷った目には、煤も香を吐く花かと映り、蜘蛛の巣は
名香の薫が靡く、と心時めき、この世の一切を一室に縮めて、そして、海よりもなお広い....
「死刑の前」より 著者:幸徳秋水
歌を書きのこした楠|正行は、年わずかに二十二歳で戦死した。しのびの緒をたち、兜に
名香を薫じた木村|重成もまた、わずかに二十四歳で戦死した。彼らは各自の境遇から、....
「首頂戴」より 著者:国枝史郎
馨って来たからである。 「香を焚くという噂だが、成程な、香の匂いだ。しかも非常な
名香らしい」 とはいえ勿論野武士育ちの、ガサツな赤川大膳には、何んの香だか分ら....
「最小人間の怪」より 著者:海野十三
へ長く垂らし、なかなか耳目もととのっていた。そして私に御馳走をするのだといって、
名香のようなものを焚いてくれた。それは私が生れて始めて嗅いだ媚香だった。私はうっ....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
ものも、このマッコー鯨の体内に限って存在するのだそうだが、この物自体が天下名題の
名香かと思ったら、そうではないそうだね。それ自体は悪臭の強いものだそうだ。これに....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
の手の甲が痛み出した。見ると毒虫にいつの間にやら螫されていた。駕龍の中には妙なる
名香さえ焚いてあるのだ。虫の入りようも無いものをと思えども、そこには既に赤く腫れ....
「おせん」より 著者:邦枝完二
るもんじゃねえや、伽羅沈香だろうが、蘭麝だろうが及びもつかねえ、勿体ねえくれえの
名香だぜ。――そんな遠くにいたんじゃ、本当の香りは判らねえから、もっと薬罐の傍に....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
妙椿 八百尼公技絶倫 風を呼び雨を喚ぶ幻神の如し 祠辺の老樹|精萃を蔵す 帳裡の
名香美人を現ず 古より乱離皆数あり 当年の妖祟豈因無からん 半世売弄す懐中の宝 ....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
のを枕頭に引寄せて、かつてやんごとなき某侯爵夫人から領したという、浅緑と名のある
名香を、お縫の手で焚いてもらい、天井から釣した氷嚢を取除けて、空気枕に仰向けに寝....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
入にも、使う人の勝手で異議はない。灰皿にも用いよう。が希くば、竜涎、蘆薈、留奇の
名香。緑玉、真珠、紅玉を装らせたい。某国――公使の、その一品を贈ものに使ってから....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
長けたる貴夫人
あれは体の盛になっている※で、
それが醸されて不老不死の
名香になって、
まわりへ一面に広がるのですよ。
(ヘレネ登場)
メフ....