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「吏員〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

吏員の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
水の三日」より 著者:芥川竜之介
ビスケットの袋を、少年少女の諸君には、塩せんべいと餡パンとを、呈上した。区役所の吏員や、白服の若い巡査が「お礼を言って、お礼を言って」と注意するので、罹災民諸君....
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
よ、と云うのである。 東京市という一家の家令たる市長が知らぬ間に、台所で議員と吏員がうなずき合って、すき勝手に献立てを作って、ドシドシつまみ喰いをしたり、折に....
令狐生冥夢録」より 著者:田中貢太郎
た。殿上の高い処に一人の王者が冕を被り袍を著て案に拠って坐っていた。その左右には吏員がおり、また鬼卒も控えていた。 鬼使は※を階段の下へ連れて往って、そこへ押....
田舎教師」より 著者:田山花袋
ように見渡される。 応接室は井泉村役場の応接室よりもきれいであった。そこからは吏員の事務をとっている室が硝子窓をとおしてはっきりと見えた。卓の上には戸籍台帳や....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
から信じて、糞馬力と糞勉強を一貫して大成したものだそうである。 福岡県庁の低い吏員をつとめながら毎朝、蝋燭を一挺持って中庄の翁の舞台に来て、夜の明ける迄謡う。....
東京要塞」より 著者:海野十三
かぬ者があろうか。 その忠魂塔は東京市に建てられることになった。そのために市の吏員は、敷地を公園にもとめて探しまわった結果、S公園内に建てるということに決った....
香熊」より 著者:佐藤垢石
出来ごとだ。三人の猟師が、一頭の大熊を獲ってきたのを高利貸、地主、滞納処分の役場吏員が取り囲んで、吹雪の吹き込む土間で、その処分についていがみ合う。昭和六年の東....
」より 著者:犬田卯
れがなくもない。と言うのは、まず八名の村議のうち例の五名までが瘤の門下生であり、吏員の半数以上がかつて瘤のお伴でF町の料亭で濃厚な情調――多分――を味わった経験....
武士を夷ということの考」より 著者:喜田貞吉
、荒き夷どもの心にも、いと忝き事と和みて、無為なるべく奏しけり。 これは幕府の吏員を夷といえるなり。 長門本『平家物語』に、 義盛が申しけるは、如何に和殿....
奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
其の沙汰を致すべきものなり」と示されたものであった。しかるに出羽において留守所の吏員は従来の慣例に背き、地頭の間田を検出しようとしたので、ために地頭らの愁訴とな....
長吏名称考」より 著者:喜田貞吉
数に数えないからだなどとの説もあるが、もとより採るに足らぬ。 長吏は文字の如く吏員の長たるものの称で、「撮壌集」官名の部に、「長吏」と出ている。三井寺では智証....
棚田裁判長の怪死」より 著者:橘外男
歳)、岩瀬忠市君(二十四歳)、秋月敏子嬢(二十一歳)、詠村道子嬢(二十三歳)等の吏員が、同島南海岸を逍遥中、海浜より七、八メートル離れた這松の根元に、四十五、六....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
学制統一案を整理するだけでも充分仕事があります」 と言うておる。とにかく市庁の吏員は自治団体とは名ばかりで、すべてが非自治的機械的に働いているので、一年二年と....
放免考」より 著者:喜田貞吉
村落都邑から扶持を受けて生活していたものであろうと思われる。由来警察・監獄の下級吏員は、徳川時代までも不浄役人などと言われて、いわゆるエタ・非人の徒の従事するも....
雷門以北」より 著者:久保田万太郎
師だの、飾り屋だの……たま/\勤め人があるとみれば、それは小学校の先生、区役所の吏員、吉原の貸座敷の書記さん……そうしたたぐいだった。女のほうには料理屋、芸妓屋....