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吐出
「吐出〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
吐出の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
の汗を舐《な》めるのは御免である。万一その懦弱が伝染しては堪らぬと、吾輩はペッと
吐出してしまったが、それでも背に腹は替えられずと、苦い顔をしながら食った連中もあ....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
望《のぞみ》が叶《かな》う、その時はありったけの蛭が残らず吸っただけの人間の血を
吐出《はきだ》すと、それがために土がとけて山一ツ一面に血と泥《どろ》との大沼にか....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
就眠時間を守っていた。が、塾長の中田は暗闇のなかで目を光らせていて、豹一の口から
吐出される「醜悪な臭」をかいだ。中田は無論豹一が掟を破ったことに就て、大阪の塾主....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
たのもそのまま足を留めて、押取巻いた。二人ばかり婦も交って。 外へ、その人数を
吐出したので、風が透いて、すっきり透明になって、行儀よく乗合の膝だけは揃いながら....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
) (何とでも言え、対手にもならん。それでも何か、そういうものは人間か。) と
吐出すように子爵が言った。」 二十五 「ト其奴が薄笑いをしたようで....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
な恰好に踏ン張って時々頭を前後に動かしながら、苦しそうに喉を鳴らして盛んに何かを
吐出しているんです。 「毒を飲まされたのさ」 そう言って助役は、結んである縄を....
「食魔」より 著者:岡本かの子
電気を響かせるようで軽蔑しながら気持がよいようになった。世を詛い剰って、意地悪く
吐出す罵倒や嘲笑の鋒尖を彼女は全身に刺し込まれても、ただ情無く我慢するだけ、苦鳴....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
もの、貸すもんか。それだしね、羽織なんて誰も持ってやしませんぜ。」 と饂飩屋は
吐出すように云う。成程、羽織を着たものは、ものの欠片も見えぬ。 「可ければ、私の....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
ずに凝視めている。 私も弁当と酒を買った。 大な蝦蟆とでもあろう事か、革鞄の
吐出した第一幕が、旅行案内ばかりでは桟敷で飲むような気はしない、が蓋しそれは僭上....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
額着いて、やがて、相並んで、日を正射に、白い、眩い、峠を望んで進んだ。 雲から
吐出されたもののように、坂に突伏した旅人が一人。 ああ、犠牲は代った。 扶け....
「一寸怪」より 著者:泉鏡花
、燃える、ひゃあ、と飛ついて消す間に、梁へ炎が絡む、ソレ、と云う内羽目板から火を
吐出す、凡そ七日ばかりの間、昼夜|詰切りで寐る事も出来ぬ。ところが、此寺の門前に....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
うふう蒸気の上る処を、がつがつして、加減なしに、突然頬張ると、アチチも何もない、
吐出せばまだ可いのに、渇えているので、ほとんど本能の勢、といった工合で、呑込むと....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
噛ると、ちと乱だ。楊枝でも噛むことか、割箸を横啣えとやりゃあがって、喰い裂いちゃ
吐出しまさ。 大概のことは気にもかけなかったが、婆さん貧病は治して貰った、我が....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
う。」 「やっぱりそれだけは感じますかい、」 親仁は大口を開いて、啣えた煙管を
吐出すばかりに、 「ははははは、」 「暢気じゃあ困るぜ、ちっと精を出しねえな。」....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
迫った。その結果が沼南のイツモ逆さに振って見せる蟇口から社を売った身代金の幾分を
吐出して目出たく無事に落着したそうだ。そうかと思うと一方には、代がわりした『毎日....