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吐月峰
「吐月峰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
吐月峰の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
は前から清逸の心を強く牽《ひ》いていたものだった。
父は煙草をのんではしきりに
吐月峰《とげっぽう》をたたいた。母も黙ったまま針を取り上げている。
店の方に物....
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
に叢々たる竹藪が多くなってやがて、二つの小峯が目近く聳《そび》え出した。天柱山に
吐月峰《とげっぽう》というのだと主人が説明した。私の父は潔癖家で、毎朝、自分の使....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
る。あすこには灰吹《はいふ》きがないそうだ。僕の友人があすこへ奉職をしている頃|
吐月峰《とげつほう》の印《いん》のある灰吹きを買いに出たところが、
吐月峰どころか....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
平気の平左で、帯のあいだから小意気な煙管を取り出し、一服つけては、ポンとはたく
吐月峰《はいふき》の音。 「不敵なやつだ」 儀作はにらみつけて、 「殿のおめし....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
に、思わず明るい微笑がみなぎると、かれは吸いかけた火玉をプッ――と吹いて、ついで
吐月峰《はいふき》のふちをとんとたたいた。
三十番神の御神燈に、磨《みが》き抜....
「一世お鯉」より 著者:長谷川時雨
さあ」 といいながら、器用に、ポンと音をさせて煙管《キセル》の吸殻《すいがら》を
吐月峰《はいふき》へはたいた。 「けれどお鯉さんもたいていじゃなかったのですよ。....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
入ったわさ。惚《ほ》れさせてもらおうよ」 閑山は出もしない、咳《せき》をして、
吐月峰《はいふき》を手にした。 「いまお前さんを捜しに来た男は何だ」 「まあ可愛....