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「吐瀉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

吐瀉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
うえ》をつけ狙った。が、その後《ご》四五日すると、甚太夫は突然真夜中から、烈しい吐瀉《としゃ》を催し出した。喜三郎《きさぶろう》は心配の余り、すぐにも医者を迎え....
虚構の春」より 著者:太宰治
と水のようなものを吐いて、岩のうえを這《は》いずりまわっていた様子で、私は、その吐瀉物《としゃぶつ》をあとへ汚くのこして死ぬのは、なんとしても、心残りであったか....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、その不養生《ふようじょう》の祟りで疫病神に見舞われた。かれは夜半《よなか》から吐瀉《としゃ》をはじめて、明くる日の午後に死んだ。 独り者であるから、仲間の友....
とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
て、自動車の待たしてある方角へ松林の中を歩き出しました。けれども途中幾度か激しい吐瀉に見舞われた豚は、自動車のある処まで来るととうとう動かなくなってしまいました....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
獣を思わせるような屍体は、同じく宮廷楽師の衣裳を附けていて、胸のあたりがわずかに吐瀉物で汚されている。なお、推定時刻は一時間前後で、ほぼクリヴォフの殺害と符合し....
玄海灘密航」より 著者:金史良
重ねられた男女三十余名の密航団は、船員達に踏んづけられ虫の息である。喰わず飲まず吐瀉や呻きの中で三日を過ぎ、真暗な夜中に荷物のように投げ出されたのが、又北九州沿....
無系統虎列剌」より 著者:夢野久作
中になって大変な事が持上った。天神髯の斎藤さんが、恐ろしく苦悶し初めてスバラシク吐瀉し続けて人事不省に陥った。熱は出ていないが見る見るうちに脈が悪くなって、ビク....
労働者の居ない船」より 著者:葉山嘉樹
気がした。 水夫は未だ確りしていた。 「俺はいやだ!」と彼は叫んだ。 彼は、吐瀉しながら、転げまわりながら、顔中を汚物で隈取りながら叫んだ。 「俺は癒るんだ....
地球要塞」より 著者:海野十三
非常な眩暈《めまい》に襲われた。目の前がまっ暗《くら》になった。そして、はげしい吐瀉《としゃ》が始まった。頭は、今にも割れそうに、がんがん鳴りだしたのであった。....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
家である所以は、この享受がいつでも何か多少纏った原則の下に、反作用的にポツポツと吐瀉される点にあるのである。そうしてこの吐瀉物が主にエッセイの形をとった文芸や哲....
異妖編」より 著者:岡本綺堂
その見舞に駈け付けたのである。叔母はなにかの食あたりであったらしく、一時はひどく吐瀉して苦しんだ。なにぶん老年のことでもあるので、屋敷の者も心配して、早速に甥の....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
リと歯軋《はぎし》りをして、 「いかに虎列剌がこの節の流行物《はやりもの》でも、吐瀉下痢《はきくだ》して息をひきとれば、これも虎列剌ですはひどかろう。いってえ、....
ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
ほどなく胸やけがして来た。と思うと急に、みぞおちのへんに差しこみが来て、はげしい吐瀉がそれにつづき、明けがた近く死んでしまった。老人の穀倉にはかねがね鼠が出るの....
死の接吻」より 著者:小酒井不木
眼たたきをした。敏子は更に言葉を続けた。 「佐々木はあの夜家に帰るなり、はげしい吐瀉を始めて三時間たたぬうちに死にましたわ。まるで夢のようねえ」 「本当にそうで....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
出発したところ、広島への途中汽車中にて妹ともはげしい腹痛が起こり広島に着いた時は吐瀉はげしくやむをえず広島の親戚に三日間苦しい、いらだたしい日を送りました。広島....