向かう[語句情報] »
向かう
「向かう〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
向かうの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
だった。十年も着慣れたふだん着《ぎ》できのうも会ったばかりの弟のように親しい人に
向かうようなとりなしをした。古藤はとみには口もきけないように思い惑っているらしか....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
ことについて正確な解釈をすることが出来たら、彼は食事も何も放り出して、早速南方へ
向かう飛行機の提供方を、船長に交渉したことであろうに。 船長は、或る出来事につ....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ただいちずにがむしゃらとしたものだった。君はまたさらに目をあげて、なつかしい友に
向かうようにしみじみと山の姿をながめやった。 ちょうど親しい心と心とが出あった....
「親子」より 著者:有島武郎
くくりをつけなかった。それがいかにも手慣れた商人らしく彼には思われた。 帳簿に
向かうと父の顔色は急に引き締まって、監督に対する時と同じようになった。用のある時....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ィックである。すなわち、毎周期の進展は不断の後退であって、特に道徳的方面で堕落に
向かうものと見なされているのである。 このペシミスティックな考え方は既に前述の....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
そこで我々は絶えず彼女たちの唇をこじあけるために、一本の鉄梃を用意してセットへ
向かうわけである。そうでもしないと彼女たちは堅く口を結んだままで驚愕の表情までや....
「海底大陸」より 著者:海野十三
文面に見入った。 「なになに、メリー号とすれちがったはずのルゾン号が、ロンドンに
向かうのを中止して、現場にひきかえすから、ルゾン号に乗りかえて捜査しろ――という....
「火星探険」より 著者:海野十三
わしですかい。わしはもちろん、デニー博士は今年の十二月までに地球を出発して火星へ
向かうであろうという方へ入れましたよ。今となってはとんだところへ入れたものです」....
「火星兵団」より 著者:海野十三
けではなかったけれど、今、じたばた騒いでも、こっちの体が痛くなるばかりなので、手
向かうことをやめた。あとで、相手にすきが出来た時に、力一ぱい腕をふるうことにした....
「怪塔王」より 著者:海野十三
ました。 「ははあ、二人ともむずかしい顔をしているじゃないか。まだ何か、わしに手
向かう方法はないかと考えているのだな。あっはっはっ、そうはいかないよ。こんどは、....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
ためには、賞金をうんと奮発して労働者達を総動員することが大切です。あの大豪川上に
向かう者は、一つしかない自分の命を捨ててかからねばならぬのです。賞金は、命を捨て....
「妖怪学」より 著者:井上円了
もって、水を引く力一層強きがゆえに、甲にある水は、丁に向かわずして丙もしくは乙に
向かうは当然なるも、もし甲丙、甲乙両路線ふさがりて水を通ぜざるときは、水勢、単に....
「迷信解」より 著者:井上円了
、ひそかにその家に忍び入り、母の枕頭に立ち、『われはこの家の娘なり。死して冥土に
向かうも、娑婆に多くの衣服を残せしために、思う所に至ることあたわず。願わくは、こ....
「西航日録」より 著者:井上円了
定む。 三月十二日午後六時、英国ヨークシャー州バルレー村を辞し、アイルランドに
向かう。途上、一句を浮かぶ。 プツデング次の代りはシチウなり 西洋料理の中に、....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
。 青年興業欲。 (青年が事業を興すに何かを求めようとするならば、別天地のはてに
向かうべきである。東亜も西欧もすでに老成しており、むしろ南半球の地はなにごとも年....