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向き合う
「向き合う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
向き合うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「女の決闘」より 著者:太宰治
。その様子が今まで人に追い掛けられていて、この時決心して自分を追い掛けて来た人に
向き合うように見えた。 「お互に六発ずつ打つ事にしましょうね。あなたがお先へお打....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
一の証拠はふたりの肩傷でござりますゆえ、ようごろうじませ。相討ち遂げてこのように
向き合うたまま倒れているならば、互いに前傷こそあるべきが当然。しかるに、両名の傷....
「こころ」より 著者:夏目漱石
の細帯の上で、はたりとKに出合いました。足の方にばかり気を取られていた私は、彼と
向き合うまで、彼の存在にまるで気が付かずにいたのです。私は不意に自分の前が塞《ふ....
「草枕」より 著者:夏目漱石
たですよと、こちらを侮辱《ぶじょく》するには及ぶまい。今余が辛抱《しんぼう》して
向き合うべく余儀なくされている鏡はたしかに最前から余を侮辱している。右を向くと顔....
「明暗」より 著者:夏目漱石
た木精《こだま》のように津田の胸に反響した。二人はどこまで行っても、直《じか》に
向き合う訳に行かなかった。しかも遠慮があるので、なるべくそこには触れないように慎....
「白蛇の死」より 著者:海野十三
地が、今朝はもう身動きも出来ない程の人だかりだった。土岐はまざまざと昨夜の屍体と
向き合う事を恐れながら、それでも人を掻き分ける様にしてどんどん前へ出て行った。そ....
「蟇の血」より 著者:田中貢太郎
讓は椅子の傍へ寄って往った。と、女はその左側にある椅子を引き寄せて、讓と斜に
向き合うようにして腰をかけたので、讓もしかたなしに椅子を左斜にして腰をかけた。 ....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
飯をすまして私とS君とは春雨に烟った東山に面する一室に障子を閉め切って火鉢を隔て
向き合う。私が鎌倉、逗子、東京の近況、君やH子さんのことなど話して聞かす。しかし....
「海の使者」より 著者:泉鏡花
川から、さらさらと押して来る、蘆の根の、約二|間ばかりの切れ目の真中。橋と正面に
向き合う処に、くるくると渦を巻いて、坊主め、色も濃く赫と赤らんで見えるまで、躍り....
「ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
れました。そこで彼等が来ると、私はみんなテーブルの上の椅子に乗せて、ちょうど私と
向き合うように坐らせました。そのまわりには、見張りの兵もついていました。 大蔵....
「魔都」より 著者:久生十蘭
もすぐ底が割れるのでも困る。じゃ、まア、せめてこんな工合にして」
と大鏡と斜に
向き合う位置に安楽椅子を据え直し、戻って来てすっぽりと椅子の中に沈み込み、
「こ....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
体何のことですか」 「さ、そこが本校の自慢の課目ですヨ。たとえばですナ、牛と牛が
向き合う、すると向うの牛が、きょうは喰い過ぎているから胃袋だけは突いてもらいたく....
「人狼」より 著者:岡本綺堂
かえ起そうとすれば、それを振払うように、おいよは屹と起き直りて、二人の顔と顔とが
向き合う。その物すごき形相に、お妙はぎょっとして飛び退く。) お妙 あれえ。 (....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
私は認めていたのですが、この頃ますますその光が出てきだしたような気がして、それに
向き合う私の心持ちは緊張します。私は何よりもあなたを一種の深い優れた性格として承....
「女の決闘」より 著者:オイレンベルクヘルベルト
。その様子が今まで人に追い掛けられていて、この時決心して自分を追い掛けて来た人に
向き合うように見えた。 「お互に六発ずつ打つ事にしましょうね。あなたがお先へお打....