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向き向き
「向き向き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
向き向きの前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
と思って二軒いっしょにお互いこの稲刈りをしたのだが、なんだかみんなの心がてんでん
向き向きのようで、格別おもしろくなかった。だから今日のしまいごろには清さんも満蔵....
「昔の火事」より 著者:宮本百合子
れば、誰かがたのんで、ここの店先へ札を出して貰っているのだろう。誰も、彼も、その
向き向きで儲けようとしている、と猛之介は考えた。そして、それは極めて当然のことと....
「罌粟の中」より 著者:横光利一
賑やかさの中から、バンドの喇叭手がただ一人、濡れた唇に輪形をつけしきりと梶の方を
向き向き、喇叭を吹いたり止めたりした。 「あっ、あの喇叭はこの子を愛しているな」....
「恐怖の季節」より 著者:三好十郎
が、実に書きづらいので弱った。 理由は、これらの作家たちの示している姿が雑多で
向き向きで、――しかも、その雑多と
向き向きの中に、根本的で複雑でデリケイトな諸問....
「肌の匂い」より 著者:三好十郎
けられていますがね、それはしかたが無いさ。人間、ツラがちがつているように一人一人
向き向きがありますからね。佐々さんは共産黨で、あたしは商賣人。仲良く出來ねえと言....