向こう脛[語句情報] » 向こう脛

「向こう脛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

向こう脛の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
けた。「今度またいたずらをしおったら、すぐに追い掛けて捉《とら》まえて、あの鎌で向こう脛を薙《な》いでくるるわ」 「天狗がつかまるかな」と、千枝松はあざけるよう....
緑の芽」より 著者:佐左木俊郎
きり、陽《ひ》は既に高く輝いているのにまだ戻らなかった。祖父は炉端《ろばた》で、向こう脛《ずね》を真赤《まっか》にして榾火《ほだび》をつつきながら、何かしきりに....
相撲」より 著者:寺田寅彦
いて、校庭や道ばたの草原などでよく相撲をとっていた。そうして着物をほころばせたり向こう脛をすりむいては家へ帰ってオナン(おふくろの方言)にしかられていたようであ....
大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
に、そこにあった気密塗料の缶をけとばしてしまった。缶は、横とびにとんで、艇夫長の向こう脛に、ごつんといやな音をたてて、ぶつかった。 「こらっ、なにをする」 艇....
地図にない街」より 著者:橋本五郎
あるんだから」 老人の注意がなかったら、その時氏はすぐ前の上がり段に、あるいは向こう脛を打ちつけただろう。まるで胸をつくようなせまい廊下だった。廊下を老人につ....
議会見物」より 著者:佐藤垢石
な風な男から、日本の経済国策が生まれてくるのだ。 二、三年前藤原は鐘紡の津田の向こう脛をかっ払っておいて、支那の草を買ったことがある。まことに、抜け目のない商....
鉄の規律」より 著者:平林初之輔
車は、群集の間をぬけて、東京駅の方へ走っていった。 貨物自動車の運転手は、額と向こう脛《すね》とに擦過《さっか》傷を負い左手の指先をくじかれて昏倒《こんとう》....