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君公
「君公〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
君公の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「煙管」より 著者:芥川竜之介
金を何にするかと云う問題になると、岩田と上木とで、互に意見を異にした。
岩田は
君公の体面上銀より卑《いや》しい金属を用いるのは、異《い》なものであると云う。上....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
先生の御名論を」
「聞いたよ。その時分になると落雲館の倫理の先生はこう云うね。諸
君公徳などと云う野蛮の遺風を墨守《ぼくしゅ》してはなりません。世界の青年として諸....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
先のお徒士頭らしい一人が、早くも源七郎|君の釣り姿をみとめて、慌てふためきながら
君公の乗物近くへ駈け戻っていったかと見ると、ぴたりと駕籠がとまって、倉皇としなが....
「牛人」より 著者:中島敦
の思召《おぼしめし》はどうあろうと、息子の方では勝手にそう決め込んで、もはや直接
君公に御目通りしていますよ。そんな莫迦《ばか》な事があるはずは無いという叔孫に、....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
がい》、春予以二所レ摂金穀之事一、奔二命於江都一、寓二龍口上邸中一、一日奉レ謁二
君公一、啓二我所レ職封内民事一、乃
君公出二一小冊一、自手授レ之|曰《いわく》、....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
犬の灰で枯木に花を咲かせて重賞され、犬に辛かった親仁《おやじ》はそれを羨んで灰を
君公の眼に入れて厳罰された次第を述べたのだが、近刊佐々木喜善君の『江刺《えさし》....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
んでいやがった。鮒《ふな》を捕ったり、泥鰌《どじょう》を取ったり…… お君ぁ、
君公は子供のうちから綺麗な子だった。みんなが振返ったなあ。あいつが――あいつもお....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
から人の声。 「ナニ、ムクだって? 犬がお前を助けるんだって、それじゃあお前は、
君公だな」 米友は、橋の板を踏み鳴らしました。 「チェッ」 槍を橋板の上へさ....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
満な解釈を与えるので、私は内心おかしくも思った。 しかるに或る年、前にもいった
君公の御試業があるので、われわれ年輩の漢学生は奮って出講する事となった。尤もその....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
ずる」
主水正は声をはげまし、
「さようなことを申しておっては、はてしがない。
君公のおためじゃ。藩のためじゃ。日限をきり申そう。むこう一ト月の間に、是が非でも....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
と思い、西郷が来るや否《いな》や、ただちに彼を兵庫《ひょうご》に引連れ、明日君が
君公の前に侍《じ》すれば、生命はないぞ。到底助からぬものと思えば、むしろここで刺....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
赤くして叫んだ。
「連れ戻るか、斬るかであろう」
一木は、冷たい微笑をして
「
君公の命じゃ。何故、お主は無断で、旅へ出た」
「そういうことを聞きとうない」
「....
「徳育如何」より 著者:福沢諭吉
落路《らくろ》の人たるが如し。 従前は其藩にありて同藩士の末座に列し、いわゆる
君公には容易に目通《めどお》りもかなわざりし小家来《しょうけらい》が、一朝《いっ....
「赤坂城の謀略」より 著者:国枝史郎
と将卒共はしばらくの間は、言葉も出さず黙っていたが、やがて口々に云い出した。 「
君公の謀計にござりまする。粗略あろうとは存じられませぬ」 「早々御落去なさりませ....
「我が円朝研究」より 著者:正岡容
両以上の大金は決して肌にしてはいなかった。常に十両金さえ所持していれば、ひとたび
君公の命下ったとき我が家へ戻らずして彼らは、蝦夷松前の果てまでもそのまま行かれた....