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君恩
「君恩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
君恩の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
ればそれまでの事さ。
いかに馬鹿でも病気でも主人に変りはない。一飯《いっぱん》
君恩を重んずと云う詩人もある事だから猫だって主人の身の上を思わない事はあるまい。....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
に帰しこれを君主の恩恵となししかして怪しまず。かの帝政論派なるものは実にこの君徳
君恩を称賛してもって世道人心を誘起せんと試みたり。自由論派はこれに反してもっぱら....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
呼出しになって百日の遠慮は免りて、其の上お役が一つ進んで御加増となる。遠山權六は
君恩の辱ないことを寝ても覚めても忘れやらず、それから毎夜ぐる/\廻るの廻らないの....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
と、竹田は、一気につづけて、
「上様《うえさま》の御馬前に花と散って、日ごろの
君恩に報い、武士《もののふ》の本懐とげる機会もござりましょうに、かように和平あい....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
念があったからであります。そして、戦敗れ、自刃する際に臨んで「七度この世に生れて
君恩に報いん」とさえ誓っております。何という素晴しい勇気でしょう。「信念は人を鉄....
「三国志」より 著者:吉川英治
以来の功臣。孫権は涙しながらその遺書を見た。 張紘の遺書には縷々として、生涯の
君恩の大を謝してあった。そして、自分は日頃から、呉の都府は、もっと中央に地の利を....
「三国志」より 著者:吉川英治
ます。どうかもう少しご静観ください。必ず蜀を討って、次に、呉を亡ぼし、以て三代の
君恩に報ずるの日を誓って招来してお目にかけまする」 その神妙な容子に、曹叡は心....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
町の蔭口も、今道鏡だなどといっておりますそうで」 「今道鏡か、なるほど」 「が。
君恩をかさに着て利欲|名聞のほか何ものもない行状は、ごく近ごろのことゆえ、きっと....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
余騎にもなっていたという」 「いずれにせよ、尊氏は、八座の宰相の身にありながら、
君恩もわすれ、朝命も待たいで、無断、東下をあえてしたことは確かとみゆる」 「不忠....
「鬼」より 著者:吉川英治
って、 (そちも行って手功をして来い) と吩咐けられたものであった。 これは
君恩と云っていい。こういう折でもなければ、十石の扶持でも上げられる時勢ではないし....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
となっている。さすがの彼も少し面を変えて難詰った。 「それがしに取っては、又なき
君恩の品、唯一の家宝ともしておる物を、何で火中へ投じられたか。御辺にも似あわぬ不....
「濞かみ浪人」より 著者:吉川英治
、その態に、遠慮して、部屋の隅へ遠く置いた。 ――まだ数右衛門は、泣いていた。
君恩の大と、身の不つつかが、口惜しく考え出されて。 源吾はふと、彼が、涙の眼に....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
知ないのでござろうが」 「それは元よりです。さだめし、越前が、御仁慈によろこび、
君恩に泣きぬれて、御自身の前に来るであろうに――と、その姿をお待ちかねなのです。....