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君臣
「君臣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
君臣の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「死後」より 著者:芥川竜之介
巻ものの随筆である。しかし面白い話は勿論、珍らしい話も滅多《めった》にない。僕は
君臣、父母、夫婦と五倫部の話を読んでいるうちにそろそろ睡気《ねむけ》を感じ出した....
「三浦右衛門の最後」より 著者:菊池寛
である。右衛門は涙を流しながら手を突いて、 「命は惜しゅうござる」といった。また
君臣の高い嘲弄の笑声が響き渡った。刑部の心のうちには、右衛門の哀訴を聞いて、さら....
「忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
、一足進み一足退くにも儀礼を正しゅうして、微瑕《びか》だに犯さぬことを念とした。
君臣の間に多少は存在していた心安さが跡を滅して、君前には粛殺たる気が漂った。家臣....
「仇討三態」より 著者:菊池寛
弟がめでたく帰参したときは、新発田藩では、嫡子主膳正|直溥の世になっていた。が、
君臣は挙って、幸太郎兄弟が三十年来の苦節を賛嘆した。幸太郎は、亡父の旧知百五十石....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
神学者は専制政治の型に則って神人の関係を案出した。かくて政治家は神人の例に則って
君臣の関係を案出した。社会道徳と産業組織とはそのあとに続いた。それらは皆同じ法則....
「四条畷の戦」より 著者:菊池寛
置に召し出したのが奉公の最初であるとする、『太平記』の説はさて措き、早くからこの
君臣の間に、ある関係があったことは想像出来る。正中の変前に、日野俊基が山伏姿で湯....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
のありて、正反対とまでにはあらざれども、士族の世禄を排斥し、工農の権利を主張し、
君臣の関係を駁し四民の平等を唱え、主として経済上の進歩を急務としたるがごとし。当....
「運命」より 著者:幸田露伴
終世 怨み※まず。 偉なる哉 蔵春公や、 箪瓢 巌谷に楽む。 一朝 風雲 会す。
君臣 おのづから心腹なり。 大業 計 已に成りて、 勲名 簡牘に照る。 身|退い....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
「前略、とり急ぎしたため申し候、さて今回金一郎様、不慮のことにてご他界遊ばされ、
君臣一同|愁嘆至極、なんと申してよろしきや、適当の言葉もござなく候、しかるに当夜....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
詩人ホルベルのデンマルク国史物語に、ハンス王が寵臣のオットー ルードとアーサー王
君臣の交りについてとんち問答した話がかいてある。なお、「その日その日の物語」は、....
「人生における離合について」より 著者:倉田百三
などは起こるものではない。合うも別れるも野面を吹く風の過ぎ去る如くである。しかし
君臣となり、親子、夫婦、朋友、師弟、兄弟となった縁のかりそめならぬことを思い、対....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
勢力争い――縄張争い、こいつがコジレルと血の雨を降らす。親分乾児の関係が、武士の
君臣関係より、もっと厳重で頼母しい。巧言令色、追従などという、そういういやらしい....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
捕虜となっているところへ、朝鮮の勇将征東使伯寧がおなじく捕虜となって来て、敵中で
君臣対面の場がある。加藤清正は団十郎、王妃は先代の秀調、伯寧は八百蔵で、作者は朝....
「道鏡皇胤論について」より 著者:喜田貞吉
の逆鱗と道鏡の激怒とを顧慮するなく、身命を賭して神教を伏奏した。「我が国開闢以来
君臣の分定まる。臣を以て君となす事は未だかつてこれあらざるなり。天つ日嗣は必ず皇....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
まことに慶賀にたえないところであった。 思えば実朝は将軍の身ながら、後鳥羽院に
君臣の衷情を寄せ奉ったが、北条氏は飾りの将軍をあやつりつつ、幕府の一執権職として....