吟詠[語句情報] »
吟詠
「吟詠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
吟詠の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
、今日の文壇や雑誌社すらが、詩の何物たるかを全く知らず、吾人に嘱するに自然の風物
吟詠や、四季の変化に際する美文的随筆の類を以てすることである。かつて我々の昔の詩....
「連環記」より 著者:幸田露伴
でもして、山野を馳駆して快い汗をかくか、天潤いて雨静かな日は明窓|浄几香炉詩巻、
吟詠翰墨の遊びをして性情を頤養するとかいう風に、心ゆくばかり自由安適な生活を楽ん....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
抄)は、香具山に登り給うての御歌と想像したが、併し御製は前言の如く、宮殿にての御
吟詠であろう。土屋文明氏は明日香の浄御原の宮から山の陽の村里を御覧になられての御....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
はお取上げ――」 「中張百文――よし百五十|文張ったぞ」 阿Qの銭はこのような
吟詠のもとに、だんだん顔じゅう汗だらけの人の腰の辺に行ってしまう。彼は遂にやむを....
「鴨の喜劇」より 著者:井上紅梅
言った。 「ビルマはどこもかしこも皆音楽だ。部屋の間、草の間、樹の上、みな昆虫の
吟詠があっていろいろの音色が合奏し、いとも不思議な感じがする。その間に時々蛇の声....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
(声のみ) 陰陽師 侍臣 その他平安人の老若男女大勢 合唱隊 (舞台裏にて、低い
吟詠調にて『合唱』を詠う。人数は少くとも三十人以上であること) 時 今は昔、例....
「西航日録」より 著者:井上円了
も電灯が明るくともっている。市中の人々の動きにも春があらわれ、月に酒をくみ、花に
吟詠して楽しみつつ朝に至るのである。) 伯林即事 街灯如昼伯林城、散歩人傾麦....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
けたてて波のまを走り、豪州の山の景色が雄壮であることをみる。景勝を探すにどうして
吟詠のための杖を必要としようか、南半球の秋の色は船のこうし窓にうつっているのであ....
「三国志」より 著者:吉川英治
し 戦鼓鳴を止めて、舷々歌う 幾万の夢魂、水寨にむすぶ 魏の北岸の陣中で、誰か
吟詠している者があった。旗艦に坐乗していた曹操はふと耳にとめて、 「誰だ、歌って....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
あったというも誇張でない。これは風雅の選択が厳峻を極めて、些しく俗気のあるものは
吟詠の料としなかったためのように、千年の長きにわたって解しつづけていたのであるが....