否とよ[語句情報] » 否とよ

「否とよ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

否とよの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
めくら草紙」より 著者:太宰治
のだから。涙はそのゆえにもまた、こんなに、あとからあとから湧《わ》いて出るのか。否とよ。扇型、われに何かせむ。マツ子も要らぬ。私は、この小説を当然の存在にまで漕....
白くれない」より 著者:夢野久作
りし事、兼ねてより御承知なりしやと尋ねしに、奈美殿、涙ながらに頭を打振り給ひて、否とよ。何事も妾は承り侍らず。何事も母上様がと云ひさして又も、よゝとばかり泣き沈....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
工夫か、それのみではない。処世の方角か。そんなことにも止まらない。お通の問題か。否とよ、恋のみで、男がこんなにまで痩せ細ろうか。 すべてをつつんだ大きな問題だ....
三国志」より 著者:吉川英治
の家の深窓の佳人に」 玄徳は微笑のうちにも、幾分か羞恥の色をたたえながら、 「否とよ、恋は路傍の花」 と、答えた。 その一言に、 「さすがは」 と関羽も....
三国志」より 著者:吉川英治
何を問わず反対した。張飛もまた、 「家兄、行ってはなりませんぞ」と、止めた。 「否とよ」 が、玄徳は、彼らをなだめて、呂布の招きに応じようとした。その理由は、....
三国志」より 著者:吉川英治
、曹操に降ったほうがましだからです」と、いった。 張繍は、顔を横に振って、 「否とよ。其方はもう往年の戦を忘れたのか。儂と曹操とは、宿怨のあいだがら、以来何も....
三国志」より 著者:吉川英治
きっとあなたに謝して、以後、重用遊ばすでしょう」 すると田豊は顔を振って、 「否とよ君。それは常識の解釈というもの。よく忠臣の言を入れ、奸臣の讒をみやぶるほど....
三国志」より 著者:吉川英治
す。身に深傷を負うて、お歩きもできないので、それがしの馬をおすすめ申しましたが、否とよ、和子を護ってたもれと、ひと声、仰せられながら、古井戸に身を投げてお果て遊....
三国志」より 著者:吉川英治
やある」 魏王は、獅子吼した。 時に大議事堂に満つる群臣の中から起って、 「否とよ大王、一旦のお怒りに駆らるるは、上乗に非ず、すべからく蜀の内部に衰乱の兆す....
三国志」より 著者:吉川英治
日の親密を忘れずとあらば、人に功は譲っても、自身は後陣に潜むべきではないか」 「否とよ将軍、すでにお忘れありしか。むかし少年の日、あなたが我に教えた語には、大義....
三国志」より 著者:吉川英治
産をもって、長安に攻め入るまで、食い続けられないこともないと思いますが……」 「否とよ。草は食えるが、敵の死屍は糧にならない。ここ魏の陣気をはるかにうかがうに、....
茶漬三略」より 著者:吉川英治
の世は鬼修羅の住み場か) と、呪い、何人をも信じられなくなった心へ、再び、 (否とよ。牢獄の闇にも、陽は映したではないか。正大な天道の下には、この世ほど潔く気....