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「含ませ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

含ませの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
》だったと見え、造作《ぞうさく》の悪い家の中には赤児《あかご》に乳房《ちぶさ》を含ませた細君、――彼の妹のほかに人かげはなかった。彼の妹は妹と云っても、彼よりも....
おしの」より 著者:芥川竜之介
女でもない。むかし飼槽《かいおけ》の中の基督《キリスト》に美しい乳房《ちぶさ》を含ませた「すぐれて御愛憐《ごあいれん》、すぐれて御柔軟《ごにゅうなん》、すぐれて....
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
ご》の時から、民子はしょっちゅう家へきて居て今の政夫と二つの乳房を一つ宛《ずつ》含ませて居た位、お増がきてからもあの通りで、二つのものは一つ宛四つのものは二つ宛....
夜行巡査」より 著者:泉鏡花
に裏涸《うらが》れたり。母は見るより人目も恥じず、慌《あわ》てて乳房《ちぶさ》を含ませながら、 「夜分のことでございますから、なにとぞ旦那《だんな》様お慈悲でご....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
けには行くまい。あいつも随分頓馬な奴だから、青木のいないところで、ちょっと両親に含ませるだけの気は利くまい。全体この話はどうなるだろうと、いろいろな考えやら、空....
振動魔」より 著者:海野十三
、世にもあでやかなスロープをなし、その二の腕といわず下肢といわず、牛乳をたっぷり含ませたかのように色は白くムチムチと肥え、もし一本の指でその辺を軽く押したとする....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
湊屋へ泊んなさろうと言うのかな。」 それだ、と門口で断らりょう、と亭主はその段含ませたそうな気の可い顔色。 「御串戯もんですぜ、泊りは木賃と極っていまさ。茣蓙....
梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
っと以前の事であろうが、石浜に住んでいる人たちは、自分の腕の力を試すという意味も含ませて、向島の方へ石を投げてよこしたという伝説がある。その代りという訳でもある....
滝田哲太郎君」より 著者:芥川竜之介
のだった。僕はそのことを奥さんに話した。「これは水気が来ておりますから、……綿を含ませたせいもあるのでございましょう。」――奥さんは僕にこういった。 滝田君に....
夫人利生記」より 著者:泉鏡花
たのも、中には背に負したまま、両の掌を合せたのもある。が、胸をはだけたり、乳房を含ませたりしたのは、さすがにないから、何も蔽わず、写真はあからさまになっている。....
三枚続」より 著者:泉鏡花
服を着たのと、いま一人洋服を着けた少年と、処方帳をずばと左右に繰広げ、筆に墨汁を含ませつつ控えたり。 薬の薫は床に染み、窓を圧して、謂うべからざる冷静の趣。神....
式部小路」より 著者:泉鏡花
た。これよりさき金之助は、事故あって、訪問の客に面会を謝する意を、附添の看護婦に含ませたことはいうまでもない。 「話の続は、今その吾妻コオトを着た処でしたな。そ....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
粉は心得たろうが、しらしら明でも夜中でも酒精で牛乳を暖めて、嬰児の口へ護謨の管で含ませようという世の中じゃあなかった。何しろ横に転がして使う壜なぞ見た事もないん....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
荘に毎日詰めきりで、市川家一門の人々も感激するほどに尽力した。それに一種の意味を含ませて、さすがに川上は利口者だと褒めるような嘲けるような批評を下した人が多かっ....
拷問の話」より 著者:岡本綺堂
るまでも決して白状するなと激励するのである。そればかりでなく、あるいは口中に毒を含ませて遣る。殊に梅干の肉は拷問のあいだに喉の渇きを助け、呼吸を補い、非常に有効....