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「含み笑い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

含み笑いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
雪後」より 著者:梶井基次郎
がら、耳に注意をあつめる科《しぐさ》で、行一は妻に※《めくば》せする。クックッと含み笑いをしていたが、 「雀よ。パンの屑を屋根へ蒔いといたんですの」 その音が....
モルグ街の殺人事件」より 著者:佐々木直次郎
喜ぶらしく、またそのことから生ずる愉快さを、私にあっさり白状しもした。彼は、低い含み笑いをしながら、たいていの人間は自分から見ると、胸に窓をあけているのだ、と私....
家霊」より 著者:岡本かの子
う沢山の金銀|簪《かんざし》の音がする。その音を聞いて母親は「ほ ほ ほ ほ」と含み笑いの声を立てた。それは無垢《むく》に近い娘の声であった。 宿命に忍従しよ....
雛妓」より 著者:岡本かの子
聞えた。それはわたくしと同名の呼名である。わたくしと逸作は、眼を円くして見合い、含み笑いを唇できっと引き結んだ。 もう一度、 「かの子さーん」と聞えた。すると....
天馬」より 著者:金史良
自分の方へやって来る嬉しさに、つい何もかも忘れてしまい、やや大きいめの脣を歪めて含み笑いながら彼を迎えたのだ。 「あらまあ、玄さん、珍しいですこと」 「へへえ、....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
してしまった。 「アリーちゃん、かわったねえ」 私は慨嘆した。アリーは意味ある含み笑いをして、私の知らないことを細々教えてくれた。私はどうしても信じられなかっ....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
ていて、朝になって皆が私を見て驚く顔を見てやろう。(そう思って、私は声を立てずに含み笑いをした。) 私の足が何か蹴ると動くものにぶつかった。――それは眠ってい....
ニューフェイス」より 著者:坂口安吾
も三人の旦那方の愛想のよいトリナシに機嫌を直して、仏頂ヅラの合間に、今までにない含み笑いなどを浮かべる。けれども訓戒を忘れず、ツウさんのおもらしのたびに、それと....
貞操問答」より 著者:菊池寛
々しているの。貴女少しおかしいわねえ。」 「ふうん。」と、ちょっと恥かしそうな、含み笑いをしながら、 「だってえ。この頃とても、楽しいんだもの。今日は、そら日曜....
生死卍巴」より 著者:国枝史郎
買い取られた運命と、拙者の運命とが似ているからでござる」 こう云うとクックッと含み笑いをしたが、 「実は拙者も同じ巫女から、運命を買ったのでございますよ」 「....
地虫」より 著者:小栗虫太郎
え、私は、『|ブーランジェ将軍』号さ」 そう云って、しばらく咽喉の奥でクックと含み笑いをしていたが、お悦は、急に何事か思い出したとみえて、 「どう早苗ちゃん、....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
んなすって」 小松屋松五郎はこういうと、何かひどく気の毒そうに、クックックッと含み笑いをした。 「で、座頭は何んというんだ?」 「阪東米八といいますので」 「....
笑について」より 著者:岸田国士
もあります。「微苦笑」という造語も言えば一般に通用すると思います。「馬鹿笑い」「含み笑い」「しのび笑い」「追従笑い」などがあります。 笑い声にもいろ/\ありま....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
子、貴殿の恋人そうな。……気の毒や、拙者、貴殿の恋人を……」 ここで左門は例の含み笑いをしたが、 「それにいたしても、不思議のことがござったよ。……そのお浦と....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
をあげた。 「いったい誰だ、そこにいるのは!」 するとはたして、向こう側から、含み笑いの声がして、 「張教仁君、怖いかね」と、嘲笑いながら訊く者がある。 「怖....