含む[語句情報] »
含む
「含む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
含むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
振っていた大井の姿が、ありありと浮び上って来た。と同時にやはり藤沢が、何か大井に
含む所があって、好《い》い加減に中傷の毒舌を弄しているのではないかとも思った。が....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
寄鍋だろう、白滝沢山と云う。」 「どうですか。」 と横目で見て、嬉しそうに笑を
含む。 「いずれ不漁さ。」 と打棄るように云ったが、向直って、 「早瀬、」と呼....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
る。人間界の一年は霊界の一日に当り、霊界の一二〇〇年(この毎年が人間の三六〇年を
含む)が神界の一紀であり、この二千紀が一ブラーマ日に当る。この――八六億四〇〇〇....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
、二つ巴の紋のだね。」と、つい誘われるように境が言った。 「へい。」 と暗く、
含むような、頤で返事を吸って、 「よく御存じで。」 「二度まで、湯殿に点いていて....
「聖書の読方」より 著者:内村鑑三
神の救を見ることを得しや知る人ぞ知るである、而して「諸の人」と云えば過去の人をも
含むのであって、彼等も亦何時か神の救を見ることを得べしと云う、而して是れ現世に於....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
お父さんに骨をお貰い。母さんが血をあげる。」 俯向いて、我と我が口にその乳首を
含むと、ぎんと白妙の生命を絞った。ことこと、ひちゃひちゃ、骨なし子の血を吸う音が....
「転機」より 著者:伊藤野枝
されてはならなかった。こうして、私は恐らく私の生涯を通じての種々な意味での危険を
含む最大の転機に立った。今まで私の全生活を庇護してくれたいっさいのものを捨てた私....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
掌の白きが中に、魔界はしかりや、紅梅の大いなる莟と掻撫でながら、袂のさきを白歯で
含むと、ふりが、はらりと襷にかかる。 ※たけた笑、恍惚して、 「まあ、私ばかり....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
から驚いたんです。」 「そうでしょう。」 擦違った人は、初阪の顔を見て皆|笑を
含む。 両人は苦笑した。 「ほっこり、暖い、暖い。」 蒸芋の湯気の中に、紺の....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
、その他人間的悪徳の片鱗をも認むることはできない。神は罪悪がそれ自身の中に刑罰を
含むことを知るが故に、常に憐憫の眼もて、すべての人の過誤を見、枉げられぬ道徳律の....
「カメラに関する覚え書」より 著者:伊丹万作
に誤解がないとは保し難い。これは決して不思議なことではない。一般に一つのカットの
含むあらゆる意味を監督以上に理解している人はない。 長年の私の経験が、カメラ・....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
に手をついて膝をずらし、 「お聞きなさいましよ、まあ、」 と恍惚したように笑を
含む口許は、鉄漿をつけていはしまいかと思われるほど、婀娜めいたものであった。 「....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
ル、三百七十七万三千八百一人 これ、豪州最近の統計なり。これを日本帝国(朝鮮を
含む)の地積二十六万一千五百三十四方マイルにして、人口六千二百五十七万一千四百六....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
、フォッシュ元帥のこの言葉は素人には恐らく大きな魅力を失ったであろうが、この中に
含むある真理はわれらも充分に玩味すべきである。伊藤氏はそのときの講義録を私にくれ....
「色盲検査表の話」より 著者:石原忍
眼科学会において『色神は数種の方法で検査し、かつ必ず二種の仮性同色表による検査を
含むこと、出来得ればスチルリング氏表及び石原氏表を用いること』と決議され、これを....