含嗽[語句情報] » 含嗽

「含嗽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

含嗽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
と取り落して眼がさめたりした。それは生れてからないことだった。 清逸は寝たまま含嗽《うがい》をすると、頸に巻きつけている真綿の襟巻を外《はず》して、夜着を深く....
」より 著者:ゴーゴリニコライ
髯と、みずみずしくて健康な妻を持ち、毎朝、新鮮なりんごを食べ、四十五分もかかって含嗽《うがい》をしたり、五通りものブラシで歯をみがいて、口の中をこの上もなく清潔....
河明り」より 著者:岡本かの子
けられ、溝の終りの口は小壺を銜えて樹液を落している。揃って育児院の子供等が、朝の含嗽をさせられているようでもある。馬来人や支那人が働いている。 「僕等は正規の計....
縮図」より 著者:徳田秋声
が、ルゴールも塗った。銀子は、親爺が栗栖を忌避して、別の医者にかかっていた。 「含嗽してるの。」 「してるわ。」 「今夜は何かあったのかい。変じゃないか。」 ....
足迹」より 著者:徳田秋声
「……少し媒介人に瞞されたようですよ。」と、お庄は帯の間から莨入れを取り出して、含嗽莨をふかしながら言い出した。 「始終家が揉み合っているものですし、あの人だっ....
」より 著者:徳田秋声
蒲団の一ト組くらいは拵えておきたい。」 お銀は軟かい初毛の見える腕を延ばして、含嗽莨などをふかした。 お銀の臆病癖が一層|嵩じていた。それは笹村の留守の間に....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
正月は三ヶ日が江戸ッ児の最も真面目なるべき時だ。かれらは元日の黎明に若水汲んで含嗽し、衣を改めて芝浦、愛宕山、九段、上野、待乳山などに初日の出を拝し、帰来屠蘇....
」より 著者:鷹野つぎ
楊子を与え、私が歯をこすっている間にはコップを持ち添えており、済めば床頭台の上の含嗽用のものを清め、私の髪を二つに分けて編み、熱い湯で顔や手首、腕を拭き清めた。....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
さめたら、じっとしてはおられない。関守氏は、やおら起き出でて、筧《かけひ》の水で含嗽《うがい》を試みようとする時、米友はすり抜けて、早くも庭と森の中へ身を彷徨《....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
の驚愕の窓のように見ひらかれていた。 彼女は、咽喉の奥から笑いを転がし出して、含嗽をした。そして急に、執事のような真面目な顔を作った。それから、この椿事を説明....
二つの途」より 著者:豊島与志雄
た後で、彼女は暫く画室にはいった。 午後、彼女は吸飲《すいのみ》を取って啓介に含嗽をさした。うっかりしていた拍子に、吸飲の水を啓介の頬から蒲団へ少し垂らした。....
好意」より 著者:豊島与志雄
来た。やがて敏子さんもやって来た。痰吐の中に可なりの量の血痰が吐き出され、水薬で含嗽がなされ、枕が高められ、額に氷嚢がのせられ、そして吉岡が眼をつぶって仰向して....
株式仲買店々員」より 著者:ドイルアーサー・コナン
のため、からだを前こごみにしていた。と、その時ふいに、低いゴロゴロゴロゴロと云う含嗽するような音につづいて、木の上をはげしくたたく音が聞えて来た。ホームズは気違....
生死卍巴」より 著者:国枝史郎
小枝は手を延ばして、その一本を折り取ったが、 ※|白楊の林に豹が隠れ、 信者らが含嗽して アラの御神を讃え奉る時、 回教|弘通者のオメル様の墳塋へ、 ささげまつ....
五重塔」より 著者:幸田露伴
入りてもなかなか眠らず、一番鶏二番鶏を耳たしかに聞いて朝も平日よりははよう起き、含嗽手水に見ぬ夢を洗って熱茶一杯に酒の残り香を払う折しも、むくむくと起き上ったる....