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含蓄
「含蓄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
含蓄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「近時政論考」より 著者:陸羯南
、事実の上に論拠を置くことをなさず、西洋十八世紀末の法理論を祖述し多く哲学理想を
含蓄したればなり。中江氏らのおもに崇奉せしはルーソーの民約論なるがごとく、『政理....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
んとするに方って普通の目録や書籍歴史では決して得られない知識を探り得られる是等の
含蓄多き貴重なる書目の滅亡は真に悲むべきであった。 Kと一緒に暫らく灰燼の中を....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
れに能動的に働きかけて認識し、情感し、意欲する。かくて生命はおのれみずからの中に
含蓄的(implicit)に潜める内容をしだいに分化発展してわれらの内部経験は日....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
やや急き立って答えた。「あらゆる医学的効力は、われわれが植物毒剤と呼ぶものの内に
含蓄されているというのが、彼の理論である。彼は自分の手ずから植物を培養して、自然....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
御自身のお言葉そのままでなく、ただ意味だけを伝えることでございます。当時の言語は
含蓄が深いと申しますか、そのままではとても私どもの腑に落ちかぬるところがあり、私....
「最古日本の女性生活の根柢」より 著者:折口信夫
たものになってきたであろう。 村の君主は国造と称せられた。後になるほど、政権の
含蓄がこの語に乏しくなって、教権の存在を感じるようになっていったようである。国造....
「生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
げている。会話というものと理屈の違うところは、会話というものは自然な自由なものを
含蓄したものを出すわけで、そういうものは自由自在にあっちからも、こっちからも交わ....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
の法が説き示された。三昧の定を出て説いたのは通途の経文である。定中の説の超越的、
含蓄的なるには及ばない。そういってあの宗の人はありがたがっている。一心法界の海に....
「無表情の表情」より 著者:上村松園
沈潜した感激は哲学的だと言いましょうか、そこに何物も達しがたい高い芸術的な匂いが
含蓄されてあると思います。こういう点で能楽こそは、真の国粋を誇りうる芸術だといえ....
「武士を夷ということの考」より 著者:喜田貞吉
からず。 この東人の祖先中には、古伝説に、ひろく東夷として呼ばれたりしものをも
含蓄するものなることを忘るべからざるなり。『日本紀』には東夷の中に蝦夷あることを....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
遅なるよりは拙速を重んじ、堂々たる大論文よりは新鮮なる零細の記事、深く考慮すべき
含蓄ある説明よりは手取早く呑込む事の出来る記実、噛占めて益々味の出るものよりは舌....
「「ケット」と「マット」」より 著者:喜田貞吉
だ簡単で、その語るところまた一つの興味ある民間説話というに過ぎないが、しかもその
含蓄するところすこぶる大なるものがある。我が日本民族の発展史を攻究するもの、深く....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
どを云為するのはむだだった。なぜなら、正義の判断そのものが、その性質上、不正確を
含蓄するからであり、そして、政府は絶対に危険を冒してはならないからだった。古来の....
「良寛様の書」より 著者:北大路魯山人
羲之であり、その前後の類品である。その以後に気の利いたものを拾えば唐太宗である。
含蓄あるものを求むるとせば顔魯公である。良寛様はその書の長所をこの辺から採ってお....
「味覚の美と芸術の美」より 著者:北大路魯山人
子どもの玩具に似て、単に赤いとか黄色いとかいうだけで、花にも葉にも持ち味が浅く、
含蓄というものがない。スイトピーを日本の豌豆に較べてみるもいい。スイトピーの花の....