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「吸器〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

吸器の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
振動魔」より 著者:海野十三
博士|白石右策氏だった。白石博士は、湘南に大きいサナトリューム療院を持つ有名な呼吸器病の大家だった。一般にサナトリューム療院といえば、極く軽症の肺病患者ばかりに....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
「君。どうしても肺病だね。」 「むむ。」と、僕たちは一度にうなずいた。かれが呼吸器病の患者であることは、我れわれの素人眼にも殆んど疑うの余地がなかった。 「熱....
島原心中」より 著者:菊池寛
じゃないかね』 先刻、女の死体を一目見たときに、僕は女が、どちらかといえば、呼吸器でもが悪いように瘠せた女で、男が陳述するような、勇気がある女とは、どうしても....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
たが半分隠れようという黒眼鏡を懸けて、希代さね、何のためだろう。それにあのそれ呼吸器とかいうものを口へ押着けてさ、おまけに鬚を生やしてるじゃあないか。それで高帽....
光は影を」より 著者:岸田国士
痛いとかいう自覚症状はないらしいが、それで微熱がとれないとすると、僕の想像では呼吸器疾患とにらんでいますが、若しそうなら、そんな病院でグズグズしているより、ちや....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
子薬で全快したという者が見当らなかった。 そこで、丹造は直営店の乾某がかつて呼吸器を痛めた経験があるを奇貨とし、主恩で縛りあげて、無理矢理に出鱈目の感謝状と写....
」より 著者:織田作之助
た。病気したからだと私は答えたが、満更嘘を言ったわけではない。私は学校にいた時呼吸器を悪くして三月許り休学していたことがある。徴兵官は私の返答をきくとそりゃ惜し....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
美しい娘だったからです。父は、「いや、すぐ直るだろう」と何気ない様子でした。「呼吸器だろう」などと噂をしましたが、間もなく全快して、病家では非常に喜んで、手厚い....
豆腐買い」より 著者:岡本かの子
地口には筍のように標柱が頭を競っている。小児科の医者、特許弁理士、もう一つ内科呼吸器科の医者、派出婦会、姓名判断の占師、遠慮深くうしろの方から細い首を出して長唄....
鼻に基く殺人」より 著者:小酒井不木
ーはまだ、何となく物うげであった。彼は坐ったまま尾をかすかに振るだけであった。呼吸器を侵されて、一時は駄目かと思われるほどの重病から、漸く恢復したこととて、美し....
白痴の知恵」より 著者:小酒井不木
たのか誰も知りませんが、自分ではある呉服屋の番頭をつとめていたところ、最近少し呼吸器を害したから、静養かたがた帰っているのだと申しているそうです。しかし、一見し....
謎の咬傷」より 著者:小酒井不木
と警部の顔をながめ、眼をテーブルの上に注いで言った。 「ええ、今年になって少し呼吸器を害しましたから」 「そうですか、金銀の細工をなさる人はよく冒されるとききま....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
遑がない中に思わぬ病のために帰朝すべく余儀なくされた。 二葉亭は学生時代から呼吸器が弱かった。自分でも要慎して痰は必ず鼻紙へ取って決してやたらと棄てなかった。....
活人形」より 著者:泉鏡花
貸にて、得三とは同気相集る別懇の間柄なれば、非義非道をもって有名く、人の活血を火吸器と渾名のある男なり。召連れたる下男は銀平という、高田が気に入りの人非人。いず....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
を持たぬ人の言うことでありまして、煤煙のために空気が悪くなり、空気が悪いために呼吸器病の人が増加し、毎年千人に対して五人だけ多く死ぬとすれば、その薬代と、診察料....