吹かす[語句情報] »
吹かす
「吹かす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
吹かすの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「器楽的幻覚」より 著者:梶井基次郎
た気持を伴って来ていることを感じた。煙草を出す。口にくわえる。そして静かにそれを
吹かすのが、いかにも「何の変わったこともない」感じなのであった。――燈火を赤く反....
「入れ札」より 著者:菊池寛
な時、仲間喧嘩をする時じゃねえじゃねえか。 浅太郎 だが、あんまり相手が年寄風を
吹かすからだ。 九郎助 なあに、どちらがどちらだか、手前の方がよっぱど若い者風を....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
人どもがなんと申しますか」 「そこをひとつ無理して頼むのじゃがな。べつに役人風を
吹かすわけではないが、このとおり奉行所《ぶぎょうしょ》の者が事を割っての頼みじゃ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
? だんな! 何がおかしいんですかい!」 「坊やが吹かしがいもしねえ江戸っ子風を
吹かすからおかしいんだよ」 「ちぇッ。じゃ、だんなは、江戸っ子じゃねえんですか!....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
僧衣の陰に隠して、飽くまでも匿まおうと言うなら、まことに篠崎流の軍学以外にひと泡
吹かする途はない。 「わははは。あの荒法師なかなかに胆が据っておるわ。いや、よい....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
領主の屋敷に乱入いたし、力弱き農民百姓達を苦しめる助の平の大和田十郎次めにひと泡
吹かすまででおじゃるわ」 「わはは。いや、面白い面白い。身共を先ず血祭りに挙げる....
「古狢」より 著者:泉鏡花
うものは用いないです。)またそういって、撃鉄をカチッと行る。 貰いものの葉巻を
吹かすより、霰弾で鳥をばらす方が、よっぽど贅沢じゃないか、と思ったけれど、何しろ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
の大男。それに、はい、のめったきり、捏でも動かぬに困じ果てて、すっぱすっぱ煙草を
吹かすやら、お前様、嚔をするやら、向脛へ集る蚊を踵で揉殺すやら、泥に酔った大鮫の....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
多一に突附けて、そこにありあわせた、御寮人の黄金煙管を握って、立続けに、ふかふか
吹かす。 (判然言え、判然、ちゃんと口上をもって吐かせ。うん、番頭に、番頭に、番....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
きりである上に、俳優狂を始めて茶屋小屋|入をする、角力取、芸人を引張込んで雲井を
吹かす、酒を飲む、骨牌を弄ぶ、爪弾を遣る、洗髪の意気な半纏着で、晩方からふいと家....
「盗まれた手紙」より 著者:佐々木直次郎
たことより以上にはなにもできまい」 「ふむ、なるほど」デュパンは海泡石のパイプを
吹かす合間に、ゆっくりと言った。「僕は思うんだがね――G――、あなたはこの事件に....
「女難」より 著者:国木田独歩
だ、なんぞといえば女房まで世話をしてやったという、大きな面をしてむやみと親方風を
吹かすからしてもう気に喰わねえでいたのだ、お古を押しつけておいて世話も何もあるも....
「いわゆる「反省」は我々を救うか」より 著者:岸田国士
誰に読ませるかと云えば、その単純律義な生徒監にであり、多少物わかりのいゝ兄貴風を
吹かす半面、極めて先入見の囚となり易い頭脳の持主であることがわかつていた。かの信....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
もあって立派な刻煙草になるからである。手製のパイプへそれを詰めて惜し気なくそれを
吹かす時私は真に幸福であった。小憎らしいのは猩々である。遠くの木の股から顔を出し....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
が頂上だったろうけれど慧鶴に憎しみを持出した此頃の彼等は、彼等に叛いた同僚に一泡
吹かす手段にこの手紙を利用した。彼等は評議一決して手紙を無言で師匠の馬翁の手先に....