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吹き曝し
「吹き曝し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
吹き曝しの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「死後」より 著者:正岡子規
其処は非常にいい様であるが、併し寐巻の上に経帷子《きょうかたびら》位を着て山上の
吹き曝しに棄てられては自分の様な皮膚の弱い者は、すぐに風を引いてしまうからいけな....
「温泉」より 著者:梶井基次郎
ような感じを与えるのに成功していた。 何年か前まではこの温泉もほんの茅葺屋根の
吹き曝しの温泉で、桜の花も散り込んで来たし、溪の眺めも眺められたし、というのが古....
「坑夫の子」より 著者:葉山嘉樹
。 川下の方の捲上げ道を登れば、そのまま彼等は飯場まで帰る事が出来た。飯場には
吹き曝しであるにしても風呂が湧いていた。風呂は晩酌と同じ程、彼等へ魅力を持ってい....
「幻の彼方」より 著者:豊島与志雄
識しだした。凡てが寂寥のうちに落着いてきて、彼の世界へまとまりだした。その世界が
吹き曝しだった。歯が一本抜け落ちた時、いくら口をきっと結んでも、何処からか冷たい....
「神棚」より 著者:豊島与志雄
相変らず空っぽのままだし、胃袋には一片の食物も残っていないし、外套もつけていない
吹き曝しの身に、雪になりそうな雨まで落ちかかってきた。だがそんなことは、まあいい....
「巴里の唄うたい」より 著者:岡本かの子
嘩もよくする。 はやり唄は場末の家の建壊しの跡などへ手風琴鳴しを一人連れて風の
吹き曝しに向って唄い出す。また高いアパルトマンの間の谷底のような狭い露路について....
「運命のSOS」より 著者:牧逸馬
。 生存者の一人、レディ・ダフ・ゴルドンは始終|船橋《ブリッジ》の傍を離れずに
吹き曝しの甲板に立っていた。と、一つ上の甲板から、まるで幽霊に操られでもするよう....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
言い放ちました。「まるで枯木が冷え切った岩に倚りかかったようなものさ、寒の真最中
吹き曝しの気持ちだ」というわけです。 若い腰元は、試験も済んだので、老婆のとこ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
りの、それは荒涼たる寒村であった。 先ず目についたのは鑵詰工場らしい、ほとんど
吹き曝しのバラックだ。大きい、犢ほどの樺色の樺太犬がのそりと、その前には出ていた....