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吹き曝
「吹き曝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
吹き曝の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
んな押問答を繰返しながら、閲覧人で埋《う》まっている机の間を通りぬけて、とうとう
吹き曝《さら》しの玄関へ出た。するとちょうどそこへ、真赤な土耳其《トルコ》帽をか....
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
後生でございます。しばらくここにお置きあそばしてくださいまし。この寒さにお堀端の
吹き曝《さら》しへ出ましては、こ、この子がかわいそうでございます。いろいろ災難に....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
ここでは話もならぬからといって、飛行機を下りた。二人は、飛行場のまん中で、寒風に
吹き曝《さら》されながら立ち話を始めた。 取引の契約が調《ととの》ったあとで、....
「巴里の唄うたい」より 著者:岡本かの子
嘩もよくする。 はやり唄は場末の家の建壊しの跡などへ手風琴鳴しを一人連れて風の
吹き曝しに向って唄い出す。また高いアパルトマンの間の谷底のような狭い露路について....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
言い放ちました。「まるで枯木が冷え切った岩に倚りかかったようなものさ、寒の真最中
吹き曝しの気持ちだ」というわけです。 若い腰元は、試験も済んだので、老婆のとこ....
「温泉」より 著者:梶井基次郎
ような感じを与えるのに成功していた。 何年か前まではこの温泉もほんの茅葺屋根の
吹き曝しの温泉で、桜の花も散り込んで来たし、溪の眺めも眺められたし、というのが古....
「冬の日」より 著者:梶井基次郎
崖上になっている。部屋から眺めているいつもの風景は、今彼の眼前で凩《こがらし》に
吹き曝《さら》されていた。曇空には雲が暗澹《あんたん》と動いていた。そしてその下....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
りの、それは荒涼たる寒村であった。 先ず目についたのは鑵詰工場らしい、ほとんど
吹き曝しのバラックだ。大きい、犢ほどの樺色の樺太犬がのそりと、その前には出ていた....
「別れたる妻に送る手紙」より 著者:近松秋江
んで、もちっとで電車の乗換え場を行き過ぎる処であった。心柄とはいいながら、夜風に
吹き曝されて、私は眼頭に涙を潤ませて帰った。 それでも少しは、何かせねばならぬ....
「足迹」より 著者:徳田秋声
吹きつけていた。十五日過ぎの通りには人の往来も少く、両側の店も淋しかった。砂埃に
吹き曝されている、薄暗い寄席の看板などが目についた。 お庄はまだ思い断って、独....
「神棚」より 著者:豊島与志雄
相変らず空っぽのままだし、胃袋には一片の食物も残っていないし、外套もつけていない
吹き曝しの身に、雪になりそうな雨まで落ちかかってきた。だがそんなことは、まあいい....
「幻の彼方」より 著者:豊島与志雄
識しだした。凡てが寂寥のうちに落着いてきて、彼の世界へまとまりだした。その世界が
吹き曝しだった。歯が一本抜け落ちた時、いくら口をきっと結んでも、何処からか冷たい....
「野分」より 著者:夏目漱石
われた。かれはこの風の中を金釘《かなくぎ》のごとく直立して来たのである。から風に
吹き曝《さら》されたる彼は、からからの古瓢箪《ふるびょうたん》のごとくに見える。....
「幻影の盾」より 著者:夏目漱石
鴉の城であると、ウィリアムは見えぬ所を想像で描き出す。若《も》しその薄黒く潮風に
吹き曝《さら》された角窓の裏《うち》に一人物を画き足したなら死竜《しりょう》は忽....
「私の経過した学生時代」より 著者:夏目漱石
《きわ》まるものであった。窓には戸がないから、冬の日などは寒い風がヒュウヒュウと
吹き曝《さら》し、教場へは下駄を履《は》いたまま上がるという風で、教師などは大抵....