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吹き荒ぶ
「吹き荒ぶ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
吹き荒ぶの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「死の快走船」より 著者:大阪圭吉
主館に居止り、東屋氏と私と黒塚、洋吉の両氏、そして署長を加えた五人は、強い疾風の
吹き荒ぶ中庭を横切って、別館の船室――キャプテン深谷の秘密室へ走り込んだ。 ....
「玄海灘密航」より 著者:金史良
朝三時に××山の麓に来たらいいと云うのである。私は驚いて振り返って見た。だが男は
吹き荒ぶみぞれの中に、どこかへ消え失せてしまった。さすがに私はその晩いろいろと苦....
「琥珀のパイプ」より 著者:甲賀三郎
屋から左へ、青木は右へと別れたのである。私達が丁度自宅の前辺り迄来た時に、遙かに
吹き荒ぶ嵐の中から人の叫声を聞いたと思った。 二人は走り出した。番小屋の人も走....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
いる、白花の石楠花が、この生体のない人の頬に匂っている。 耳を澄まして、谷間に
吹き荒ぶ風の声を聞くと、その怖ろしさといったらない、初めは雷とばかり思っていた、....
「フランダースの犬」より 著者:菊池寛
入選すれば、クリスマスには二重のよろこびを持てるわけでした。身を切るような寒風の
吹き荒ぶその日、ネルロは波打つ胸をおさえて、いよいよでき上った苦心の画を、牛乳車....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
いるキャサリン・ディ・マットス夫人は作者の従妹であって、献詩のヒースの生い茂り風
吹き荒ぶ北国は彼等の故郷スコットランドをさすのである。 一九四〇年十一月佐々木直次郎....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
とができなかった。閉め忘れた裏木戸が、風のためにバタンバタンと鳴りつづけ、大道を
吹き荒ぶ風は、松飾りに浪のような音を立てさせている。ふと、その響きに、彼は夷岐戸....