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吹っ
「吹っ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
吹っの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十円札」より 著者:芥川竜之介
り逡巡《しゅんじゅん》した後、彼は時計をポケットへ収め、ほとんど喧嘩《けんか》を
吹っかけるように昂然《こうぜん》と粟野さんの机の側へ行った。粟野さんは今日《きょ....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
みながら、まず刃の当てどころからして考えなければならなかった。 「いっそ喧嘩でも
吹っ掛けようか」 彼は更にまず刀をぬく機会を求めなければならなかった。尋常に八....
「壊れたバリコン」より 著者:海野十三
結局ビート受信方式の一変形に過ぎないじゃありませんか。 ヤアどうも、君に議論を
吹っかけるつもりじゃ毛頭なかったのですがネ、つい面白い原稿だねのない言訳に一寸議....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
の爆撃音がすごくなり、味方の高射砲もどんどん撃ちまくるとなれば、恐怖心もどこかへ
吹っとんでしまって「おのれ、敵の奴め、味方よ、撃て撃て!」と敵愾心で身体中が火の....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
令部所在地の、すなわち東京の地方にはいった。そしてそこで三年間いわゆる軍人精神を
吹っこまれて、各地方のものがみんな東京の中央に集まるのだった。 僕は僕の本籍地....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
稼ぎ場である。闇の奥で犬の声がきこえる。狐の声もきこえる。雨のふる時には容赦なく
吹っかける。冬のあけ方には霜を吹く風が氷のように冷たい。その原をようように行き抜....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
屋の亭主もぬかりなく、これは何かの用に立つものと看て取って、出たらめに五百|緡と
吹っかけると、老人は笑って三百緡に負けさせた。その取引きが済んだ後に、亭主は言っ....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
いに値切るかと思いの外、いい値の二十万円で買うというのだ。そんなことなら、もっと
吹っかけておけばよかった。こんな質素ななりをしていた婦人のことだから、二十万円だ....
「超人間X号」より 著者:海野十三
―」 「原子爆弾で、この研究所の建物といっしょに、おまえのからだをこっぱみじんに
吹っとばす。おまえの生命《せいめい》をつかさどる電臓も、原子力の前には、何の力も....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
なって、すぐに二人のあとを追って行って、椰子林のなかへ駈け込んでダルトンに喧嘩を
吹っかけたんです。その剣幕があまり激しいので、相手も少しおどろいた。もう一つには....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
所のお歴々が用ゆるもので印象が殊の外深く、彼の「女」という思想など、急にどこへか
吹っ飛んでしまった。しかし、ぶっ叩かれてしまえば事件が落著して何の障りがないのだ....
「競馬」より 著者:犬田卯
てしまった。この日の競馬を知らせる煙火がぽんぽんと世間の不景気なんか大空の彼方へ
吹っ飛ばしてしまいそうにコバルト色の朝空にはじけた。 仙太は、でも神妙に山裾の....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
仔馬のうちから自分の子供のようにして育て上げた鹿毛の奴が、ふうっと鼻息を一つ彼へ
吹っかけ、例によってお愛想に低く啼いて、眼をうるませるのを見ると、儀作のむかむか....
「瘤」より 著者:犬田卯
場の門下生で、「先生、先生……」と下から持ち上げ、一週間に一回は必ず町へ自動車を
吹っ飛ばすといったようなことをやらかしたからでもある。 ところで、改築したばか....
「米」より 著者:犬田卯
ような具合に、横の方から片脚を差入れ、右足だけでペダルを踏み、それでも危なげなく
吹っとばして行った。 村の医者は往診から帰ったところで、そのまま早速自転車で来....