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吹付け
「吹付け〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
吹付けの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「光と風と夢」より 著者:中島敦
有《も》たぬ。北欧の初冬に似た、冷々した感じだ。 湿気を含んだ烈風が、まともに
吹付ける。大王|椰子《やし》の幹に身を支え、辛うじて私は立っていた。何かしら或る....
「四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
新鮮の空気の沙汰も可笑しいかも知れぬが――束の間で、風が変って今度は正面に此方へ
吹付ける、その臭さに胸がむかつく。空の胃袋は痙攣を起したように引締って、臓腑が顛....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
辛らさ苦しさ、初《はじめ》は叔母も自分ながらけぶそうな貌《かお》をして、やわやわ
吹付けていたからまず宜《よか》ッたが、次第にいぶし方に念が入ッて来て、果は生松葉....
「連環記」より 著者:幸田露伴
から、鬚髭ぐらい焼かれる間はまだしもだが、背中へ追いかかって来て、身柱大椎へ火を
吹付けるようにやられては、灸を据えられる訳では無いし、向直って闘うに至るのが、世....
「別れたる妻に送る手紙」より 著者:近松秋江
処の雨戸を繰ると、あの真正面に北を受けた縁側に落葉交りの雨が顔をも出されないほど
吹付けている。それでも私は寝巻の濡れるのをも忘れて、其処に立ったまゝ凝乎と、向の....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
何処ッて大変な処だ、己ア新潟通いの船頭だが、昨日の難風で、さしもの大船も南の方へ
吹付けられ、漸う此処まで帰る途中、毀れた小舟に二人の死骸、やれ不憫なことをした、....
「回想録」より 著者:高村光太郎
れた。ある日、写真に使うアンモニヤの壜の口の固いのを無理に抜いた時、沸騰して顔に
吹付け、それで片目を失った。それが楠公の像の頃であったが、それ以後、後藤先生は益....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
に広い一本道のはずれに淋しい冬の落日を望み、西北《にしきた》の寒風《かんぷう》に
吹付けられながら歩いて行くと、何ともなく遠い行先の急がれるような心持がして、電車....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
いかにも火を吹くという事は骨の折れる仕事であった。女は髪をよごし煙を忍んで、折角
吹付けていてもちょっと休むとむだになる。ところがこういう器械を使えば空気の補充が....