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吹竹
「吹竹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
吹竹の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旧主人」より 著者:島崎藤村
ながら眺めました。二つ竈《べっつい》は黒々と光って、角に大銅壺《おおどうこ》。火
吹竹はその前に横。十能《じゅうの》はその側に縦。火消|壺《つぼ》こそ物言顔。暗く....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
やら、やあ!と踏張って両方の握拳で押えつける者もあれば、いきなり三宝|火箸でも火
吹竹でも宙で振廻す人もある――まあ一人や二人は、きっとそれだけで縁から飛出して遁....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
たところから、この名が起ったという。 近世には、弥次氏と同行喜多君が、ここに火
吹竹の失態を演じたという名残《なご》りもある。 数日以前には、宇治山田の米友が....
「夏」より 著者:寺田寅彦
。朝まだ暗いうちに旧城の青苔滑らかな石垣によじ上って鈴虫の鳴いている穴を捜し、火
吹竹で静かにその穴を吹いていると、憐れな小さな歌手は、この世に何事が起ったかを見....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
オレにかけたのはお茶だろうか白湯だろうか、どっちの方だ」 云い終らないうちに火
吹竹で十あまり殴られて戸外へ投げとばされてノビてしまった。 オタツの方はカモ七....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
たかも紙一重隔てているがごとく聞こえなければならなかったし、節穴からの呼び声は火
吹竹を口へあてがって喋るごとき、そうした音声に聞こえなければ決して、「真」とはい....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
ない胴間声で、格子戸を開けるとすぐまず驚かされた。 「すまねえ。」 と勘次は火
吹竹片手にどなった。 「今し方頭の常公が来て話して行ったが、親分、徳撰じゃえれえ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
押し出す天魔のおとしだねであろうとも、この家に取っては、竈の下を焚きつくべき、火
吹竹に過ぎず、と知って、立処に心が融けると、放火も人殺もお茶うけにして退けかねな....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
野三昧なら今からでも。――小屋に爺さんが一人だから。兄さんが火箸を突込めば私が火
吹竹を吹く。……二人で吹きおこしたって構わない。」 と透し見ると、鬢の毛が木の....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ばば、知らんのけ。何してるんや」 と、台所をのぞいて喚いた。 竈のまえに、火
吹竹を持って火を吹いていたお杉隠居は、 「なんじゃ、仰山な」 「村の者が、あんな....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
取ちがえ、ピョイトコサ(等々)を拵えろと嫁に命じ、それを知らぬというので怒って火
吹竹で打つ。まア団子のような瘤ができた。おうそのダンゴよというのが落ち。いくら馬....