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吾妻
「吾妻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
吾妻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
吾妻橋《あずまばし》の欄干《らんかん》によって、人が大ぜい立っている。時々巡査が....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
愛《ぶあい》される沿岸の町々は、皆自分にとって、忘れがたい、なつかしい町である。
吾妻橋《あづまばし》から川下ならば、駒形《こまかた》、並木、蔵前《くらまえ》、代....
「或る女」より 著者:有島武郎
プを渡すと華車《きゃしゃ》な少し急な階子段《はしごだん》をのぼって行った。葉子は
吾妻《あずま》コートも脱がずにいいかげんぬれたままで黙ってそのあとからついて行っ....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
掛けに結びて、空色|縮緬《ちりめん》の蹴出《けだ》しを微露《ほのめか》し、素足に
吾妻下駄《あずまげた》、絹張りの日傘《ひがさ》に更紗《さらさ》の小包みを持ち添え....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
なしでございまして、」と雑巾を引掴んで、 「あれ、お召ものが、」 と云う内に、
吾妻下駄が可愛く並んで、白足袋薄く、藤色の裾を捌いて、濃いお納戸地に、浅黄と赤で....
「妖術」より 著者:泉鏡花
に細かく降懸る雨を、中折で弾く精もない。 鼠の鍔をぐったりとしながら、我慢に、
吾妻橋の方も、本願寺の方も見返らないで、ここを的に来たように、素直に広小路を切っ....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
出てはいないか? こういうことを思い浮べながら、玉乗りのあった前を通っていると
吾妻橋の近処に住んでいる友人に会った。 「どこへ行くんだ?」 「散歩だ」 「遠い....
「山と雪の日記」より 著者:板倉勝宣
していると、ウインクレル氏から高湯へ行こうといってきた。天気さえ好くば二泊して、
吾妻登山をやるかも分らないとのこと、坊城、松方、僕の三人はむやみとはりきってしま....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
艶に月の影の冴えを見せ、うつむき加減の頤の雪。雪のすぐあとへは惜しいほど、黒塗の
吾妻下駄で、軒かげに斜に立った。 実は、コトコトとその駒下駄の音を立てて店前へ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
別にして食べさせたいので、手内職では追着かないから、世話をするものがあって、毎日
吾妻橋を越して一製糸場に通っていた。 留守になると、橋手前には腕白盛の滝太一人....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
今宵は月も明らかなり、夜もすがら涼み歩かんと十時ごろより立ち出で、観音へ参詣して
吾妻橋の上へ来り。四方を眺むれば橋の袂に焼くもろこしの匂い、煎豆の音、氷屋の呼声....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
月の前を通り去った折からである。 橋の中央に、漆の色の新しい、黒塗の艶やかな、
吾妻下駄を軽く留めて、今は散った、青柳の糸をそのまま、すらりと撫肩に、葉に綿入れ....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
杭の乱るるがごとき中へ、刎も上げない褄をきれいに、しっとりした友染を、東京下りの
吾妻下駄の素足に捌いたのが、ちらちらと交るを見ると、人を別けた傘を斜めに、撫肩で....
「県歌 信濃の国」より 著者:浅井洌
して 文武の誉たぐいなく 山と聳えて世に仰ぎ 川と流れて名は尽ず 六
吾妻はやとし日本武 嘆き給いし碓氷山 穿つ隧道二十六 夢にも越る汽車....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
ずから匂を失ってしまうことは大川の水に変らないのである。 僕等は川蒸汽を下りて
吾妻橋の袂へ出、そこへ来合せた円タクに乗って柳島へ向うことにした。この
吾妻橋から....