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呆れ
「呆れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
呆れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
《かじ》まで、しばらくはただ、竹馬を戟《ほこ》にしたまま、狂おしい沙門の振舞を、
呆れてじっと見守って居りました。
十
が、それはほんの僅の....
「竜」より 著者:芥川竜之介
立てたばかりで、これほどの大騒ぎが始まろうとは夢にも思わずに居りましたから、さも
呆れ返ったように叔母の尼の方をふり向きますと、『いやはや、飛んでもない人出でござ....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
の切れた夏羽織だのに気がついたものと見えて、「どうしたんだい。その体裁は。」と、
呆れたように尋ねました。「電車から落っこってね、鞍掛橋の所で飛び降りをしそくなっ....
「星座」より 著者:有島武郎
、若い心を老いしめると思うほどに押し寄せてきた。彼は自分の腑甲斐《ふがい》なさに
呆れるほどだった。市街のここかしこに立つ老いた楡《にれ》の樹を見るごとに、彼はそ....
「親子」より 著者:有島武郎
当のことがこの世の中にあるとでも思っとるのか」 父は息子の融通のきかないのにも
呆れるというようにそっぽを向いてしまった。 「思ってはいませんがね。しかし私には....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
ここまで来て私は自ら任じて強しとする人々と袖を別たねばならぬ。その人々はもう私に
呆れねばならぬ時が来た。私はしょうことなしに弱さに純一になりつつ、益※強い人々と....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
に鍼をお打たせになりましても、決して間違いのあるようなものではござりませぬ。」と
呆れたように、按摩の剥く目は蒼かりけり。 「うまい、まずいを言うのじゃない。いつ....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
く私たちの耳に響いた。 附添の数多の男女は、あるいは怒り、あるい罵り、あるいは
呆れ、あるいは呪詛った。が、狼狽したのは一様である。車外には御寮を迎の人数が満ち....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
しかし買うとして、いくらですか。」 ――途方もない値をつけた。つけられた方は、
呆れるより、いきなり撲るべき蹴倒し方だったが、傍に、ほんのりしている丸髷ゆえか、....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
後毛を掻撫でた。 廊下をばたばた、しとしとと畳ざわり。襖に半身を隠して老番頭、
呆れ顔の長いのを、擡げるがごとく差出したが、急込んだ調子で、 「はッ。」 夫人....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
赤瓦や青瓦で葺いた小さな家屋のぎっしり建て込んだ、あのけばけばしさには、つくづく
呆れて了いました。 『あれが私の生れた同じ鎌倉かしら……。』私はひとりそうつぶや....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
われ等の教うる神は、断じてそんなものではない。道理が戦慄して逃げ出し、人情が
呆れて顔を反けるような、そんな奇怪な神の存在をわれ等は知らない。それは人間の迷信....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
歯を食いしばったまま、一言も口を利きませんでした。 これにはさすがの鬼どもも、
呆れ返ってしまったのでしょう。もう一度|夜のような空を飛んで、森羅殿の前へ帰って....
「活人形」より 著者:泉鏡花
いかに下枝の寝床は藻脱の殻、主の姿は無かりけり。「や。「おや。「これは、と三人が
呆れ果てて言葉も出でず。 銀平は驚きながら思うよう、亭主はあくまで探偵と、我を....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
防ぎ、右手に玉網の柄を執りて、介錯の用意全く成れり。 漁史は、手応の案外強きに
呆れ、多少危懼せざるに非ざれども、手繰るに従いて、徐々相近づくにぞ、手を濡らしつ....