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「呆れる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

呆れるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
、若い心を老いしめると思うほどに押し寄せてきた。彼は自分の腑甲斐《ふがい》なさに呆れるほどだった。市街のここかしこに立つ老いた楡《にれ》の樹を見るごとに、彼はそ....
水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
水の心配をするたびに、ここの工事をやった人の、馬鹿馬鹿しきまで実務に不忠実な事を呆れるのである。 大洪水は別として、排水の装置が実際に適しておるならば、一日や....
婦系図」より 著者:泉鏡花
んな事よりねえ、面白いことをしてお遊びなさいよ。」 小芳が(まあ。)と云う体で呆れると、お蔦は寂しそうな笑を見せて、 「お嬢さん、その貴嬢、面白いことが無いん....
親子」より 著者:有島武郎
当のことがこの世の中にあるとでも思っとるのか」 父は息子の融通のきかないのにも呆れるというようにそっぽを向いてしまった。 「思ってはいませんがね。しかし私には....
省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
た鍵裂の傷がついています」 大江山警部は、この執念ぶかい犯人のトリックに、唯々呆れるばかりだった。 「すると真犯人は玩具ピストルに、この弾丸を籠めたのを持って....
三人の双生児」より 著者:海野十三
そんないやらしいものを見られるものじゃありゃしない。これは随分変態的な男であると呆れるより外なかった。でもどうしたというのであろう。呆れるという以上に、近頃刺戟....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
ら、一方には会社や資本家にはどっと新円を下ろさせる銀行の不徳と政府の反民主政策は呆れる外ない。 どこへ行くか、新日本。そして日本人大衆。 ◯昨日は選挙。東京二....
暗号音盤事件」より 著者:海野十三
はホテルの広間を借りきって、豪華なダンスの会を催した。 その盛会だったことは、呆れるばかりで、白木は始終鼻をうごめかしながら、溌剌たるお嬢さんや、小皺のある夫....
女客」より 著者:泉鏡花
寸切られるつもりになって、度胸を極めて、伯母さんには内証ですがね、これでも自分で呆れるほど、了簡が据っていますけれど、だってそうは御厄介になっても居られませんも....
南地心中」より 著者:泉鏡花
事さらすんや。何や! 払うな、と俺が吩咐けたからその通り申します、と申しますが、呆れるわい、これ、払うべき金子を払わいで、主人の一分が立つと思うか。(五百円や三....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
しかし買うとして、いくらですか。」 ――途方もない値をつけた。つけられた方は、呆れるより、いきなり撲るべき蹴倒し方だったが、傍に、ほんのりしている丸髷ゆえか、....
星女郎」より 著者:泉鏡花
なことを、この場合、あたかも大言壮語するごとく浴せたんです。 笑うか、打つか、呆れるか、と思うと、案外、正面から私を視て、 (ええ、その御心配のござんせんよう....
苦楽」より 著者:上村松園
まるで無我夢中で、少々節回しなどはどうあろうと、一向構わず、堂々とやっているには呆れる、と松篁なども言っているそうです。 しかし、私はそれでいいと自分だけでき....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
に嚇かされよう。世間が『書生気質』や『妹と背鏡』や『小説神髄』を感嘆する幼稚さを呆れると同時に、文学上の野心が俄にムズムズして来た。尤も進んで春廼舎と競争しよう....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
にしてる連中と、違い無いさ。随分永らく釣を行った癖に、今夜の不首尾は、自分ながら呆れるよ。それやこれやに就て、思えば思う程、浅草の方は感心で堪らぬ。彼の人の様に....