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「呆気ない〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

呆気ないの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
いで、ぽんと揚がるかと思うと、すぐに開いて直ぐに落ちる。まことに単純な、まことに呆気ないものではあるが、うす暗い町で其処にも此処にもこの小さい火の飛ぶ影をみるの....
煩悩秘文書」より 著者:林不忘
けに、心得たやつで、考えている逆を言う。 そうあっさり賛成されてみると、佐吉は呆気ない顔つきで、だが、じぶんで言い出したことなので所在なさそうに、 「だからお....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
で、おしまいになったのですね」 「さよう。それだけの意味で終ったのです。まことに呆気ないものであったのですが、しかし、その結果から申しますと、誠に大きな意味を含....
怪塔王」より 著者:海野十三
人の顔です。 (おや、これが怪塔王の素顔か!) 帆村も、小浜も、ともにちょっと呆気ない感じがしないでもありませんでした。 「さあ、これがわしの素顔だ。よく見て....
白痴」より 著者:坂口安吾
逃げ場を失って追いつめられた眼の色をしている。どうしたの、ねむりなさい、と言えば呆気ないほどすぐ頷いて再び寝床にもぐりこんだが、電気を消して一二分もすると、又、....
怒りの虫」より 著者:豊島与志雄
は少しく布団から乗り出し、半眼を見開き、片手を畳に投げ出して、もう息絶えていた。呆気ない最期だった。医者の診断は脳溢血だった。 後になって、八重子は言った。 ....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
答えて笑った。 ★ 老師の話は淡々とあくまでも禅問答めいて呆気ないものだった。 「ああ。あの系図に過去帳のことか。故人がそのときここで書い....
街の探偵」より 著者:海野十三
う』 帆村の立っているすぐのところに、この小屋の扉がついていた。把手をひくと、呆気ないほど無造作に開いた。 帆村は兎のように小屋の中にとびこんだ。懐中電燈が....
外務大臣の死」より 著者:小酒井不木
ですから、むずかしい事件になると随分むずかしいですけれど、その代り容易な場合には呆気ない程容易です。ところが、もし犯人が文字通りの殺人芸術家であって、故意に無頓....
人工心臓」より 著者:小酒井不木
んでした。然し、初めて、一旦死んだ家兎を極めて簡単に甦らせ得た私たちは、あまりに呆気ない思いをしながらも、嬉しさに研究室の中を飛び廻ったものです。尤も、口で御話....
死の接吻」より 著者:小酒井不木
は少しの同情をも感じなかった。そうして京助が死んだ以上、敏子も、この前のような、呆気ない態度には出るまいと思い、一日も早く敏子に逢いたいと思った。 けれど敏子....
遺伝」より 著者:小酒井不木
の紙片を、くしゃくしゃに丸めて、急ににこにこして、私の機嫌をとりました。私は頗る呆気ない思いをしました。 床へはいってから、彼女は、「ねえ、あなた、わたしがど....
火と氷のシャスタ山」より 著者:小島烏水
状態がよく判明するということであった。 登山記としては、これだけだ。短くして、呆気ないのは、私も知っている、しかしシャスタ山は、我が富士山の如く、登る山である....